冷たい風が吹き荒れ、寒さが厳しくなる冬。暖かい室内で過ごしがちで、運動不足になるかたもいるかもしれません。体力だけでなく病気に対する抵抗力も低下する冬の健康管理には一層の気配りが必要です。
健康管理のポイントをいくつかに分けて見てみましょう。
1.温度差
冬の寒さは人の活動を鈍らせます。また、 血管を収縮させて、血圧をあげます。人は、寒い場所に出たときに身を縮めますが、 同じ事が血管にもおこっています。また、 寒さだけでなく温度差も血管に大きな負担をかけます。温度差が大きいと血管の拡張と収縮が急激に行われるため、血圧も急激に変化し、これが心臓や脳血管の障害を引き起こすのです。暖かい部屋から寒い部屋に移動するときは、深呼吸をする事をおすすめします。深呼吸によって血圧の上昇が多少でも抑えられ、血管の中に酸素が沢山送り込まれるので、血管への負担が軽減されるのです。
部屋の暖房は、設定温度を20度前後の低めにして扇風機などの活用で全ての部屋に暖かい空気が回るように工夫をしてみましょう。朝布団から出るときは、深呼吸をして布団の中で靴下をはくのもよい でしょう。足は寒さに敏感です。靴下やスリッパなどで保護しましょう。
その他身の回りのちょっとした温度差に対して工夫を凝らしてみましょう。
2.寒気に注意
かぜは、冬に限らず一年中いつでもひきますが、寒い季節に引くことが多くなります。風が強いと、実際の温度よりも体感温度が低くなります。冬の冷たく乾燥した空気は皮膚や鼻や喉、気管などの粘膜の抵抗力に悪影響を与え、風邪や気管支炎を起こしやすくなります。風邪の原因の大部分はウイルス感染によるものですが、インフルエンザの場合は、風邪に比べて重症化しやすいので、予防注射や人混みをさけると言った注意が必要です。
風邪はひき始めが肝心です。温かくしてゆっくり休み、ビタミンと糖質、水分を十分にとりましょう。粥、スープ、鍋等にバランスよく消化によい具を入れるなどの工夫と、果汁などで、ビタミン補給を行う工
夫があります。また、風邪の時は、下痢や嘔吐を起こしやすいので、食べたいものを食べたいときに食べることをおすすめしま
す。
3.お風呂
寒くなると血液の循環が悪くなり、手足や腰などがいつも冷たいという人は、ユックリとお風呂に浸かることをおすすめします。お風呂にはいるときの注意点は、脱衣所を温かくして、38度から40度くらいのぬるめのお風呂に、10〜15分程度ゆっくりつかることです。入浴は体を清潔にするほか、全身を暖めて、血液の循環をよくして、疲労を回復させます。また、薬湯は保温効果が強いので、風邪の予防にもなります。リラクゼーションもかねて、市販の入浴剤や、ユズやショウガなどをお風呂に入れることもよい効果があります。冬の浴室は寒くなりやすい場所です。先に述べた温度差による、急激な血圧の変化による体への負担をなくすために、お湯を早めにはり、浴室を暖めるなどの工夫もたいせつです。
4.衣服の選び方
衣服は軽くふっくらとしていて、空気をため込むタイプの物をおすすめします。空気の層によって、体温と外気が遮断され保温効果が強くなります。また、厚手の物一枚より、薄手の物を重ね着する方が効果的です。そで、えり、足下などの開口部は小さく、身ごろはゆったりとした形の物がいいでしょう。
5.その他
冷え切ったトイレは排泄のいきみと合わせて血圧を急上昇させます。トイレなど、 部屋以外の場所の暖房への心配りや、柑橘類の摂取によるビタミンCの補給、玄米や大豆で、ビタミンEを補給し血液の循環をよくする工夫なども生活に取り入れてみましょう。
冬の健康管理に留意し、健やかで、快適な冬の生活を過ごせるよう、工夫をしてみましょう。