女子中学生の3割、女子小学生の2割が、1週間の運動時間(体育の授業を除く)が1時間未満であることが、14日公表された今年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)で分かった。中学女子では24%が「0分」と回答し、部活動などで日常的に運動する生徒とそうでない生徒の二極化が浮き彫りになった。文部科学省は、生徒のレベルや心理状態も考慮し、「運動への動機付け」を図るよう学校に働きかける。
◇部活頼み、進む二極化
調査は国公私立のすべての小学5年と中学2年が対象。実技8種目による体力合計点(80点満点)は、小学男子53.9点▽同女子54.7点▽中学男子41.7点▽同女子48.3点--で、これまでとほぼ同じだった。
運動習慣の状況を聞いたところ、体育の授業以外の1週間の運動時間が60分未満だったのは、小学男子9.1%▽同女子21%▽中学男子9.7%▽同女子29.9%。特に女子は中学で24%、小学校で10%が「0分」と回答した。また、中学では男女とも、部活動など運動の機会がある生徒とない生徒で二極化していた。運動の得意・不得意や好き・嫌いの意識変化を数年ごとに確かめると、男子は好転する傾向だったが女子は「悪化した」との回答の方が多く、対照的だった。
種目別では、ソフトボール投げと握力が前年度と比べてやや低下。ソフトボール投げは男女とも、約8割が1985年度の水準に達せず、2009年度調査(約7割が達せず)より差が広がった。
都道府県別のトップは、小学男子・女子が福井、中学男子・女子が茨城で、ほかに新潟も高得点だった。最下位は小学男子・女子、中学女子が北海道、中学男子が東京だった。
調査方法や分析について助言した萩裕美子・東海大教授(生涯スポーツ論)は「女子は友達と一緒に取り組めるかどうかが、運動への動機付けの大きな要因になっている」と解説した。【福田隆】
◇全国体力テスト◇
国公私立の小学5年生と中学2年生を対象に2008年度に開始され、今回が5回目。民主政権下の事業仕分けで10~12年度は抽出調査(11年度は東日本大震災で中止)になったが今年度は全数調査が復活し、小学校2万848校(参加率98.4%、108万7902人)、中学校1万500校(同95.0%、103万9921人)が参加した。実技8種目は、握力▽上体起こし▽長座体前屈▽反復横跳び▽20メートルシャトルラン(中学生は持久走との選択可)▽50メートル走▽立ち幅跳び▽ボール投げ(小学校ソフトボール、中学校ハンドボール)で実施。運動歴などを聞く質問紙調査もある。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20131215k0000m040015000c.html