最近、「疲れやすい」「貧血」「むくみ」など、体の不調を感じること多くありませんか?その症状、実は“腎臓病気”のシグナルかもしれません。
次第に腎臓が萎縮していく「慢性腎臓病」の患者は、現在約1330万人以上。「新たな国民病」とも言われています。しかし、痛みなどの症状があまり出ないため、発見が遅れることも多いと言います。一度、ダメージを受けると再生されにくい腎臓の機能は知らないうちに低下し続け、気が付いたときは重度の腎臓病を患っているケースも少なくないのです。
そこで今回番組では、“隠れた健康の要”である腎臓の病気について、そのメカニズムや早期発見の方法、予防方法などの最新情報を詳しくお伝えしました。
■新たな国民病“慢性腎臓病(CKD)”
CKDとは
腎臓は、1日に大量の血液をろ過し、老廃物など不要なものは尿として体外に排せつ。逆に、体に必要な物質は体内にとどめるなど、フィルターのような役割を果たしています。その作業を行っているのが、腎臓内に約200万個あると言われている、毛細血管の塊である「糸球体」(しきゅうたい)です。しかし、糸球体は、およそ1000分の8ミリという非常に細い血管のため繊細で壊れやすく、「高血圧」で血管に圧力がかかったり、「糖」や「脂肪」が血中に増えると、傷つきろ過機能は落ちてしまいます。そのろ過機能が落ちている状態が「慢性腎臓病(CKD)」です。
CKDになると心筋梗塞や脳梗塞などになりやすく、症状が進行していき、最終的には腎不全となってしまう怖い病気です。
CKDの検査方法
腎機能の低下をくい止めるためにも早期発見が重要になります。その検査方法は、尿検査と血液検査、問診の3つ。
尿検査では、尿の中にたんぱくが混ざっていないかを確認します。尿たんぱくが2+以上であればCKDと判断、専門医にかかる必要があります。また、尿たんぱくが少なくても、その状態が3か月続けばCKDと診断されますので、+の反応があれば、早めに再検査をすることをオススメします。
血液検査では、「クレアチニン」という数値を測ります。老廃物の一種であるクレアチニンは、通常は、ほとんどが尿へ排せつされますが、ろ過機能が低下していると血液の中に戻ってしまいます。そのため、血中のクレアチニンの数値が高ければ高いほどCKDの可能性が高くなるのです。
クレアチニンの正常値は、性別や年齢によって細かく違います。ご自身のろ過機能がどれくらいあるか知りたい方は、日本慢性腎臓病対策協議会のホームページで調べることが可能です。
◆日本慢性腎臓病対策協議会
ホームページ:http://j-ckdi.jp/index.html
◆健康診断については、かかりつけの医師にご相談ください
CKDの予防方法
腎臓の機能は、一度機能を失ったら元に戻ることはありません。また、CKDが進行していくと、塩分や摂取カロリー、タンパク質など、食事にとても厳しい制限がかかってきます。そうならないためにも、予防をすることがとても重要になってきます。
予防のポイントは「減塩」。今回番組では、「減塩・低カロリー」の食事を提供する「カルテ食堂」の取り組みを紹介しました。
宮城県・仙台市にある「カルテ食堂」というシールが貼られたお店では、1食、エネルギー量が600キロカロリー以下、塩分3グラム以下でおいしい食事ができるのです。
<取材協力>
「宮城カルテ食堂」
ホームページ:http://www.karute-shokudo.com/
また、その「カルテ食堂」の講師も務めるイタリア料理店のシェフに減塩のコツを伝授してもらいました。
減塩テクニック
ポイント(1)・・・香味野菜を使う
今回は、イタリア料理のベースとなるトマトソースを作る際に、
にんにくやバジル、たまねぎやセロリなどの香味野菜をたくさん使うことで塩分をふだんの3分の1の量に抑えました。
ポイント(2)・・・味付けのしかた
リゾットなどを作る場合、通常は、材料を煮るときに塩やチーズなどを入れ、味付けをします。しかし、今回は減塩のため、ソース以外に味付けはせず、最後の盛りつけの際に、塩分の多いパルメザンチーズを軽く表面にふりかけました。口に入れた際、塩分が最初に感じられることで物足りなさを感じません。
ポイント(3)・・・塩分ゼロの調味料を使用
塩分ゼロの調味料として「酒かす」と「バルサミコ酢」を使用しました。
酒かすは、シチューなどに入れて煮込むとコクが出ます。
また、酢には塩を強く感じさせる作用があります。バルサミコ酢をソテーした野菜にからめるだけで、おいしいソースに変身します。
<取材協力>
レストラン パリンカ(宮城県仙台市)
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