忘年会にクリスマス-。師走に入ってホームパーティーの機会が増え、メニューに頭を悩ませている人も多いのでは? そこで、うまく活用したいのが備蓄用の缶詰だ。備蓄食料棚の大掃除も兼ねて、パーティー料理に積極的に使ってみてはどうだろうか。(榊聡美)
◆下ごしらえ済み
「ただでさえ忙しい師走は、なかなか料理に時間をかけられません。缶詰は下ごしらえが済んでいるので時短調理につながります」
こう話すのは、管理栄養士の本多京子さん。栄養面や利便性の良さから缶詰を愛用し続けて30年以上の「缶詰使いの達人」だ。
特に手間いらずで使い勝手が良い魚介缶は、パーティー料理を作るのに持ってこいだという。そこで、サケとカニの水煮缶を使った、おもてなしにぴったりの料理を教えてもらった=レシピ。
「生の素材に下味を付けて加熱調理し、骨や殻を取り除いて身をほぐす。何品か作らなくてはいけないときに、ここから始めては手間がかかって大変。缶詰なら、これらの工程が省けますし、経済的です」と本多さん。
「カニ缶のカラフルゼリー寄せ」はテーブルに華やかさを添える前菜。冷蔵庫で冷やす時間を除けば、10分ほどで作れる。適度な塩分が入った缶汁を使うため、固形コンソメ以外は調味料は不要だ。
◆缶汁がだしに
「サケ缶と野菜のキッシュ」も缶汁ごと使うのがミソ。生クリームの分量を控え、缶汁を加えることで和風っぽく仕上がり、年齢を問わず、幅広く好まれる味わいになる。
魚介缶の缶汁は素材のうまみと塩分が入った、いわば「だし」。料理に缶汁ごと使うだけで、特別な調味料を加えなくても豊かな味わいが生まれる。
2品とも前日に作りおくことができる。キッシュはテーブルに出す直前に温め直せばOK。持ち寄りのパーティーにも打って付けだ。
ゼリー寄せは、カニ缶をホタテ缶に代えてもおいしく作れる。そのほか、魚介缶の中で人気の高いサバ缶は、身を細かくほぐしてディップソースなどにするのがおすすめだという。
水煮缶は、タマネギとセロリのみじん切り、粒マスタード、マヨネーズ、クリームチーズを加え混ぜる。しょうゆ煮は、クリームチーズとタマネギのみじん切りと混ぜる。トーストしたパンやスティック野菜を添えれば、おしゃれなパーティーメニューに仕上がる。
缶詰のレシピ本『もっと! 缶たしレシピ』(扶桑社、900円)にも「さばみそと里いものミルフィーユ仕立て」「ほたてのタルタル」など簡単でおしゃれに出来上がる缶詰のパーティーレシピが紹介されている。
◆使いながら備蓄
本多さんは「缶詰をしまいっぱなしにせず、使いながら備蓄することが大切」と話す。自身は食料棚にかごを置いて賞味期限の年別に、実に100個以上もの缶詰を備蓄している。
日々の料理作りはもちろん、急な来客のおもてなし料理にも活用する。
「お歳暮に新巻きザケをいただくよりサケ缶の方が正直言ってうれしい。常温で長期保存でき、缶自体、リサイクルできるので缶詰は『ごみ』が出ません。贈り物としても優れていますね」
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20131210531.html