県内初公開の箱枕など30点展示 来月、三条で河井継之助展 新潟
産経新聞 12月10日(火)7時55分配信
幕末に活躍した越後長岡藩家老、河井継之助(1827~68年)の遺品が、来年1月に三条市で開催される企画展「八十里越(ごえ)物語」で公開される。展示品約30点のうち遺品は一部だが、継之助が使ったとされる箱枕など新潟で初展示されるものが含まれる。
展示される継之助の遺品は毛布や膏薬(こうやく)のほか、県内初公開となる箱枕、やりの穂先。新潟偉人研究会など、新潟、三条、長岡各市の有志約40人が11月に結成した企画展実行委員会によると、展示品は福島県只見(ただみ)町の河井継之助記念館から借りる。
八十里越は三条市と只見町を結ぶ約32キロの峠道。7万4千石の長岡藩で藩政改革を実行し家老に出世した継之助は、慶応4(1868)年に新政府軍(官軍)との戦いで負傷、担架に乗せられこの峠道を越えたが、会津塩沢(現只見町)で死去。明治維新を迎え武装中立の姿勢を貫こうとする姿が、司馬遼太郎の小説「峠」などに描かれ広く知られるようになった。
地元長岡市の河井継之助記念館が平成18年の開館以来、来館者が先月で7万6千人を超える人気だが、八十里越の起点である三条市も継之助をPRすることで「新たに八十里越にスポットを当てたい」(実行委)としている。平成23年の新潟・福島豪雨で三条市とともに被害を受けた只見町にエールを送る狙いもある。
先月27日に三条市内で開かれた会見で、企画展ディレクターの橋本啓子さんは「当時の人々が何を志し、次世代に引き継がれたかを企画展で明らかにしたい。特に子供たちに、こうした時代があったから自分たちがいると感じてほしい」と語った。
八十里越物語展は来年1月19~30日、諸橋轍次(てつじ)記念館(三条市)、2月1、2日、アオーレ長岡(長岡市)。期間中、ボランティア宣伝隊「チーム八十里越」による終焉(しゅうえん)時の継之助の寸劇も見学できる。入場無料。