[ カテゴリー:医療, 生活 ]

乳酸菌で 風邪に勝つ

免疫力アップ 整腸作用 インフル抑制期待

ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は、おなかの調子を整えるだけではなく、免疫力を上げ、感染症の予防にも役立つことがわかってきている。

風邪やインフルエンザが気になるこの季節、乳酸菌を手軽に摂取できる食品を試してはどうだろう。

細胞を活性化

順天堂大准教授の竹田和由さん(免疫学)は「乳酸菌には様々な種類がある。その多くは、整腸作用に加え、免疫力を上げる働きも備えている」と指摘する。

ヨーグルトや乳酸菌飲料を取り続けると、人が生まれつき持っている自然免疫細胞の一つ「ナチュラルキラー(NK)細胞」が活性化され、風邪などにかかりにくくなることが明らかになってきたという。

なかでも「1073R―1乳酸菌」は、NK細胞を活性化させる「多糖体」を作る働きがあるという。この乳酸菌入りヨーグルトが、明治の「明治ヨーグルトR―1」。昨年、「インフルエンザ予防につながる」と紹介されて注目され、現在も売れ行き好調だ。健康志向の高い50代以上の人気が、特に高い。

様々な乳酸菌に着目したヨーグルトが売られている(東京都千代田区の「セブン-イレブン千代田二番町店」で)

竹田さんが行った実験では、インフルエンザワクチンを接種する前後に1073R―1乳酸菌入りヨーグルトを食べると、ワクチンによってできる抗体の量が増えた。ワクチンの効果を高めることが期待できそうという。

手軽に飲める

乳酸菌に着目した商品開発は、食品メーカーの多くが力を入れる。

カルピスが9月に発売した乳性飲料「守る働く乳酸菌」には、「L―92乳酸菌」が配合されている。

これは、花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状を緩和すると、同社の研究で確認された乳酸菌だ。同社の最近の研究では、さらにインフルエンザウイルスの感染、増殖を抑制する可能性もあるとわかってきた。

脂肪分はゼロ。様々な生活シーンで飲めるよう、手軽な200ミリ・リットル入りだ。

ビタミン入り

キリンが着目したのは「プラズマ乳酸菌」だ。同社によると、この乳酸菌には、NK細胞などにウイルス除去の指示を出す「プラズマサイトイド樹状細胞」を活性化する効果が確認されたという。

また、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターとの共同実験では、風邪やインフルエンザの発症、悪化を抑制できる効果がわかった。

12月10日発売予定の「小岩井 まもるチカラの乳酸菌」は、プラズマ乳酸菌を配合した乳性飲料。ビタミンも加えて、すっきり飲みやすくした。

生きたまま腸に

タカナシ乳業のヨーグルト「タカナシ ヨーグルトおなかへGG!」は、「LGG乳酸菌」を使っている。

生きたまま腸に届き、腸管に数日間とどまることができるLGG乳酸菌は、善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして腸内環境を整える。また、アレルギー性疾患や感染症予防にも効果があるとする研究や報告もされているという。9月にパッケージを刷新した同商品は、食べやすいよう、酸味を抑えたクセのない味に仕上がっている。(中西美沙子)

(2013年12月7日 読売新聞)

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=89297

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