はじめに
8人に1人が感染した経験があるといわれるノロウイルス。冬に流行るこの感染症について意外と知らないことが多いかもしれません。
今回は2013年に森永乳業が調査した結果をもとに、ノロウイルスのいろいろについて紹介したいと思います。
ノロウィルスとは
ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一属である。(出典:wikipedia「ノロウイルス」)
「ノロウイルス」という病名だと誤解されていることが多いのですが、そもそもはウイルスの一種です。これに感染すると胃腸炎を引き起こすのです。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。
健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。従って、皆様の周りの方々と一緒に、次の予防対策を徹底しましょう。(出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」)
ポイントは、
- 冬に流行しやすい
- 感染経路は、手指や食品など
- おう吐、下痢、腹痛などの症状
- 場合によっては、重症化したり死亡したりするケースもあること
- ワクチンがないため、予防対策を行う必要がある
などです。
感染経路
ノロウイルスに感染した経験がある人は8人に1人。私たちが思っているよりも身近な感染症とも言えます。誰がかかっても不思議ではありません。
年代別に感染したことがあるかアンケートをとったところ、特に20、30代のノロウイルス感染率が高いことがわかっています。
また感染経験者に感染した経路を確認したところ「自分の子どもから感染した」という回答が25%でした。
さらに子供がいる人と子供がいない人とで感染経験を比較したところ、子供がいない人より子供がいる人の方が約3倍も感染しているということが判明しています。
つまり、学校で集団生活を送る子供との接触によってウイルスに感染するリスクが高まるようです。もしかすると、学校で感染した子供から家族への二次感染が多くなっているのかもしれません。
加えて、20代は外食や食べ物を介して感染する可能性が高いこともわかっています。
過去のノロウイルス食中毒の調査結果を見ると、食品から直接ウイルスを検出することは難しく、食中毒事例のうちでも約7割では原因食品が特定できていません。
その中には、ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されたことが原因となっているケースも多いとされています。そのほかの原因としては、ノロウイルスに汚染された二枚貝があります。(出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」)
完治するまで
完治するまでの期間はだいたい3~5日とされていますが、1週間以上完治にかかるケースもあります。さらに7人に1人がノロウイルスに感染して入院したことがあるようです。
ノロウイルスに感染した際には、体内のウイルスを出し切ることが重要です。まずは病院で診察を受け、人との接触を避けて安静にすることが大切です。
また、体力を消耗するので、こまめに水分と栄養の補給をしましょう。
予防対策
完治するまで安静にするといっても、嘔吐や下痢を繰り返すため完治するまでがとても苦しく、できれば感染は避けたいものです。
そこで大事なのが、石鹸での手洗い、うがい、調理台や調理器具の殺菌などの予防対策です。
しかし、このようにして体の外からウイルスの進入を防ぐことも重要ではありますが、食べ物そのものがウイルスに汚染されている場合もあるため、完全に感染を防ぐことは不可能です。
その一方、ウイルスがいったん体の中に入っても感染を抑制できれば予防効果ができます。
その効果が期待できるのがラクトフェリンです。ラクトフェリンは、哺乳類の母乳に含まれる鉄結合性の糖タンパク質で、近年では免疫力を高める「高免疫力物質」として注目を集めています。
ノロウイルスの予防効果があると期待されるラクトフェリンは牛乳やヨーグルト、チーズなどにも含まれています。しかし熱、胃酸や酵素に弱いので、通常の食品からは殆ど摂取できないと言われています。
サプリメントで摂取する際には、メーカーの摂取目安量を守りましょう。
おわりに
筆者も一度感染したことがありましたが、重症化したようで体重が10キロ程落ちました。何より辛かったのは、年末年始に発症したためにお節を全く食べられなかったことです。
お正月やバレンタイン、冬休み、春休みで周りが楽しんでいる時期に感染すると本当に辛いものです。楽しい冬を過ごすために、しっかり予防しておきましょう。