電子レンジは、ない家庭を探すのが難しいほど今や調理家電の主役です。さらに、最近は単に食材を温めるだけでなく、普段の調理にも使われるようになってきています。
しかし、電子レンジ調理の難しさの一つが加熱ムラです。そこで、加熱ムラを立体的に見るため、卵白を使って実験を行いました。
実験はレンジの底面と同じ大きさの容器に卵白1リットルを注ぎ、5分間加熱して、卵白が白く凝固する様子を観察し、レンジの加熱ムラを目に見える形にしました。黄色に見える部分が固まっていない卵白です。
また、レンジの上、中、下段それぞれで実験を行い、高さによる加熱ムラの違いを確認しました。その結果、かなり加熱ムラがあることが分かりました。
上段は中央部分はほぼ固まらず、固まった部分が左右に分かれてしまいました。中段はサイドから温まり、中央に向けて少しずつ温まりました。最もよく使う下段は円形に固まりましたが、手前と奥に液体のままの部分ができました。
電子レンジは大きく分けると、ターンテーブルがあるタイプとターンテーブルがないタイプに分かれます。ターンテーブル式は、ほとんどが右側の壁面の上部からターンテーブルに向けて電波を出しています。
一方、今回試験したターンテーブルがないタイプは、底面の下で電波を作り、回転している金属板を使って電波を拡散させています。機種によっては天井部分にも回転する反射板を設け、加熱ムラが少なくなるように工夫してあるものもあります。
しかし、特定の場所から電波を出しているため、加熱ムラはどうしても避けられないようです。
また、別の一機種でも実験を行いましたが、加熱ムラのパターンは全く違いました。大まかな加熱ムラは、中心部と左右、あるいは奥側に飲み物などを同時に置いて加熱し、温まり方を比べてみれば簡単に分かります。
お菓子作りなど加熱ムラにシビアな調理をする場合は、あらかじめ自分の使う電子レンジでどの場所が温まりにくいか、加熱ムラの特徴をつかんでおくことが必要かもしれません。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131129/trd13112908140002-n1.htm
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