真砂岳で起こった雪崩は、犠牲者7人という平成に入って最大規模の犠牲者を出した。登山客らを巻き込む雪崩は、これまでにも甲信越地方や北海道などで頻発してきたが、日本雪崩ネットワーク(横浜市)の出川あずさ理事長(52)は「過去20年で最大級の雪崩事故だ」と断言する。
昭和には大被害を出した雪崩事故が相次いだ。昭和61年、新潟県能生(のう)町(現糸魚川(いといがわ)市)で雪崩が集落を襲い民家10戸が全壊、住民ら13人が死亡する戦後最大規模の被害が出た。57年には長野県の八ケ岳連峰で登山客12人が亡くなっている。
近年も雪崩は相次いでいる。平成7年に長野県中央アルプス・千畳敷(せんじょうじき)で6人が亡くなった雪崩事故が平成に入って最大級として知られているが、今回はその被害を上回っている。
こうした山岳の雪崩では二次被害も起こることもある。12年6月、新潟県入広瀬村(現魚沼市)の浅草岳で遭難者捜索中の警察官や消防署員ら4人が雪崩に巻き込まれ殉職。岩石状の雪塊が落下する「ブロック雪崩」と呼ばれる現象だったことが分かっている。
雪崩は生活圏をも脅かす。昨年2月、秋田県仙北市の温泉旅館「玉川温泉」で、山の斜面近くにあった屋外岩盤浴場のテントが押しつぶされ、湯治客3人が亡くなる事故が起きた。古い雪の層の上に積もった新雪が崩れる「表層雪崩」が起きたとされ、崩落した雪が温泉街に達した事故だ。
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