[ カテゴリー:子育て, 社会 ]

いちいち怒らずに子どものやる気を引き出す方法

「正の強化」という心理学用語をご存知でしょうか? ちょっと前、私は子育てにおいてその正の強化の流れに飛び込もうと決めました。そこでいろいろな資料を読んだのですが、いったい何をしていいのやら…。読めば読むほど、混乱してしまうのです。

この記事では、私がその混乱を解決しようと考えあぐねた結果について紹介します。読者の皆さんには正の強化をうまく使ってもらい、お子さんには内発的動機付けのできる子になってもらえたなら嬉しいです。

あたりまえだけど、「怒る&罰則」ではなく「褒める&ご褒美」を!

 

最初に理解したのは、「怒る&罰則」ではなく「褒める&ご褒美」を使うことでした。怒ることや罰則は、子どものやる気と自信を削いでしまうことが多いのです。褒めることを続ければ、子どもの自尊心が育まれます。子どもは生来、親を喜ばせたいと思っているもの。褒めることで、誤った行動よりも正しい行動をしたいと思うようになるのです。

では、怒る&罰則が必要になるシチュエーションには、どう対応したらいいのでしょう。

1. 罪を責めるのではなく、状況を説明する

例えば、「だから食事中は座ってなさいって言ったでしょ! 自分がどれだけ汚したかよく見なさい!」と言うのではなく、「食べるときは座ってないと、食べ物があちこちに落ちて汚くなっちゃうよ」と言ってみてはどうでしょう。言葉はそこまでにとどめておき、自分が汚したものを掃除させるように習慣づけるのです。そして、こぼさずに食べられたときには、感謝を示します。すべてがうまく行くまで、根気強く続けてください。

2. 何も言わない

子どもは、自分がミスを犯したことを理解しています。これを利用して、親は何も教えずに手を引き、あとは自分で何とかさせるというのもひとつの手です。自分がミスを犯してしまったことに気がつくと、同じことをあまり繰り返さなくなります。非常にシンプルですが、経験上、かなり有効な手段ですのでお試しを!

3. 自分の気持ちを伝える

教えるのではなく、ただ気持ちを伝えるのも有効な方法です。「もう行かなきゃ、ママ仕事に遅れて大変なことになっちゃう。そうなったらママは悲しいな」という具合に。毎朝家を出るとき、怒るよりもずっと効果的だから驚きです。

4. 視点を変え、成り行きに任せる

「だから言ったでしょ!」

支配欲が強い人にとっては、そう声を張り上げるだけでも苦痛を伴います。私はたいてい声を張り上げることができず、「あの子はまだ5歳だから」と自分に言い聞かせるようにしています。そうすることで、ゆっくりですが、怒らないようになってきました。娘のいい面を受け止めて褒め言葉のシャワーを浴びせることが、習慣になってきているのです。ただし、資料にはこんなことも書いてありました。

 

すべての褒め言葉が同じわけではない(つまり、「正しい褒め方」がある) 「褒めすぎ」は短期的にはいい結果が得られるかもしれないが、長期的には悪影響を及ぼす可能性がある。

うーん、難しい…。

正しい方法で褒める

 

では、「正しい褒め方」とはどんな褒め方なのでしょう。

1. 全体を褒めるのではなく、説明的に褒める

例えば、たんに「よくできたね!」と言うよりも、「お友達に上手にオモチャを貸してあげられて嬉しいよ」とか、「今日はオモチャをうまく片付けられたね!」と言うのです。「よくできたね」は「町で会いましょう!」と言うようなもので、説明的な褒め方は、「○○通りと△△通りの交差点で会いましょう」と言うのと同じことです。

後者の方がずっと伝わりやすいでしょう? 子どもは生来、親の注意をひきたいもの。つまり、正しくできた行動を詳しく伝えることで、子どもはどうしたらまた親の注意をひくことができるのかを学べるのです。

2. 結果ではなく、努力を褒める

子どもが描いた自信作を渡されたけれど、何が描いてあるのかわからない。そんなとき、「わあ、きれいだね!」というよりも、「わあ、いろいろ描いたんだね。何が描いてあるのかな?」とか、「色んな色を使ったんだね。すっごくきれい」と言ってみましょう。結果を褒めてしまうと、褒めらたいからとにかく物事を「終わらせる」ことに力を注いでしまう子どもになってしまいます。結果ではなく努力を褒めることで、そんな「褒められ中毒」になることを避けられるでしょう。

3. 判断よりも励ましを

例えば、「部屋を掃除してくれて嬉しい!」と言ってしまうと、「ママはいい子のワタシが好きなんだ」と受け取られてしまいます。それよりも、「オモチャ全部片付けたのね! おかげで部屋がとってもきれいになったわ。ありがとう!」と言ってみましょう。まず「あなたがやったのね」と言ってから、結果を強調し、最後にハッピーであることを伝えるのです。いえ、毎回そんなにきっちり言う必要はありません。ここでは、「子どもが自ら正しいことをしてくれたおかげでいい結果が生まれた」ことを伝えたいのです。これにより内部評価の感覚が育まれ、自分の行動に責任を持ち、結果にプライドを持てるようになっていくのです。

内発的動機づけを身に付けさせる

正の強化の究極の目標は、外発的動機付けではなく、内発的動機付けができる子どもに育てることにあります。

実は、今の私には、まだこれが理解できていません。今月、ポジティブになるためのエクササイズをします。それから、正の強化に集中しているので、少しは答えに近づくでしょうか。ここでは、これまでに読んだ資料に基づいて、いくつかの選択肢を並べてみたいと思います。残念ながら経験に基づくものではありませんし、これがすべてというわけでもありません。ほかにもヒントがあったらぜひ教えてください!

1. いきなり褒めないで質問する

ただうなずくのもいいのですが、過剰に褒めることなく、気付いていることを示す方法はほかにもあります。「Five reasons to Stop Saying “Good Job!”」という記事を書いたアルフィー・コーン博士は、質問することを勧めています。前述の例では、質問形式で説明をしてあげるといいでしょう。「あれ、もしかして魔法でも使った? この部屋、すごくきれいに片付いてる!」とか、「オモチャが全部元の場所に戻ってるみたい! どこにしまえばいいか、自分でわかったの?」という風に。あとは、どのようにオモチャを片付けて部屋をきれいにしたかを、自ら満面の笑みで語ってもらいましょう。

2. ありがとうと言う

「7 Alternatives to Telling Your Child “Good Job!”」という記事を書いたディオンナ氏によると、親が「すごい!」と言うのは、たいてい自分の生活が楽になった場合です。もう1歩踏み込んで、そのことを伝えましょう。前述の例では、「部屋をきれいにしてくれてありがとう。これで、急にお客さんが来ても安心だわ!」と言うことで、「すごい!」よりもずっとたくさんのことを伝えることができるはずです。

正の強化について、私が学んだことを紹介しました。以下に、とってもわかりやすい図をお見せします。

 

私の場合、怒るところからスタートしたのですが、娘を座らせて平和に食事を楽しむための手段に至るまでがなかなかうまくいってません。私の目標は、ピンク/赤エリアから踏み出して、緑/青へと歩みを進めることです。1歩1歩、ゆっくりと。

あなたの正の強化は、今どのあたりですか? あちこち行ったり来たりするのは普通のことです。私たちは、1日の中でも、シチュエーションによって違う行動をとるのですから。ある時間に注目して考えてみてください。例えば、今日の朝食から昼食の間に、何をいちばんしましたか? 罰則、怒る、モノで釣る、ご褒美、褒める、勇気づける、それとも、内発的動機付けのレベル向上? 逆に、正の強化を進めるにあたって、あなたが止めるべきことは何ですか?

How to Go From a Nagging Parent to a Master Motivator | A Fine Parent

Sumitha Bhandarkar (原文/訳:堀込泰三)

Images via Peter Dalhgren (flickr), altanaka, and Oksana Kuzmina (Shutterstock).

http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/healthcare/lifehacker_35856.html

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