【斯波祥】食欲の秋、ジビエと呼ばれる野生シカの肉がハンバーガーなどの手軽なメニューで登場し、人気を呼んでいる。増えすぎて農産物被害が出ている野生シカを食材に使い、地域振興に結びつけようという取り組みも各地で始まっている。
◇ 〈ジビエ〉 フランス語で狩猟の獲物となった野生の鳥獣やその肉の意味。シカやイノシシ、野ウサギ、カモ、キジ、ヤマバトなどがあり、高級食材とされる。シカ肉は高たんぱく低脂肪のヘルシー食材として日本でも人気が出始めている。
■ハンバーガー人気 長野県産の野生シカ肉を使ったハンバーガー「信州ジビエ鹿肉バーガー」が人気だ。ジェイアール東日本フードビジネスが首都圏で展開するファストフード店「ベッカーズ」の19店舗で1日から発売。10日までに5919食を売り上げた。
90グラムのパティの60%が粗びきのシカ肉。焼いて香ばしさを出したシカの骨を赤ワインで煮込んだソースを合わせた。1個550円。ほおばると、野生の肉の存在感が口中にあふれた。
当初は1カ月限定で8000食の予定だった。急きょ、2000食分の追加を決めたが、11月末を待たずに終了しそうだという。
同社の担当者は「ジビエらしさを手軽に味わえる形にしたのがよかったのではないか」と分析する。
「鹿肉バーガー」を監修したのは長野県茅野市でレストランを経営する藤木徳彦シェフ。日本ジビエ振興協議会の代表も務める。
今月上旬、東京駅前などであった食のイベントに同協議会員の入江洋仁さんがキッチンカーを出した。シカ肉を使ったソーセージドッグを買った千葉県船橋市の男性会社員(48)は「おいしい。抵抗感はない」。一緒に食べた母親(82)は「しつこくなくてヘルシーな感じ」と満足そうだった。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/leisure/TKY201311170047.html










