「沈黙の臓器」と言われる肝臓。知らず知らずのうちにC型肝炎ウイルスに感染し、肝炎や肝硬変に進んでいることも。早期発見や治療のチョイスを探る。
●肝臓病
肝臓は、栄養の代謝や有害物質の解毒など、重要な役割を担う臓器です。
この肝臓の細胞に炎症が起き、肝臓の細胞が死んでいくのが「肝炎」です。
しかし肝臓では、残った細胞が機能を補うため、この段階では自覚症状はほとんど現れません。
自覚のないまま放置すると、肝炎から肝硬変に進行する危険があります。肝硬変になると肝臓の機能が急激に低下し、命に関わります。
肝臓の異常に早期に気づき、肝硬変に進行する前に対処することが大切なのです。
●C型肝炎とは
肝炎は「お酒が原因」と思われがちですが、実は、C型肝炎ウイルスが原因の場合が大半を占めます。C型肝炎ウイルスは血液を通して感染します。そのためC型肝炎ウイルスが発見され、検査の態勢が整った1992年よりも前に、輸血などの医療行為を受けた場合には、知らぬ間にウイルス感染したケースが少なくありません。
●チョイス 肝炎ウイルス検査を受ける
C型肝炎ウイルスへの感染は、通常の健康診断などで行われる、いわゆる「肝機能検査」ではわかりません。C型肝炎ウイルスの血液検査をしっかり受けることが大切です。
市区町村や保健所では、原則無料でC型肝炎ウイルス検査を受けられます。自治体によって制度が異なるので、お住まいの自治体におたずね下さい。
また健康診断や人間ドックで、オプション検査として肝炎ウイルス検査を受けることもできます。基本的に有料ですが、自治体によっては助成制度をもうけているところもあります。
●チョイス C型肝炎ウイルスを撃退する
C型肝炎ウイルスに感染していた場合、ウイルスを撃退する「インターフェロン」を使った治療を検討します。最新の治療法は、ペグインターフェロン・リバビリン・テラプレビルという3種類の薬を併用する「3剤併用療法」です。従来のインターフェロン治療と比べて治癒率が格段に高いことが報告されています。しかし、状態によっては治療が行えない場合もあります。主治医によく相談して治療を検討しましょう。
●チョイス 未来の治療を待つ
C型肝炎の治療は日進月歩、より副作用が少なく治癒率の高い治療法が、続々と出てくることが予想されています。「肝硬変」の場合、新たな治療法の登場を期待する、ということも有力な選択肢です。そのためには、肝臓の状態を今よりも悪化させない「肝庇護(かんひご)療法」が大切。肝臓を保護する薬を使う、断酒する、肝臓に負担をかける鉄分や脂質を控える、などの対処が有効です。
http://news.goo.ne.jp/article/choice/life/choice-20131026-c-001.html










