残業や早朝出勤などで、睡眠時間が削られやすい平日。早く帰宅できても「土日に寝だめするからもう少しTVを見よう」なんて、つい夜更かしちゃいますよね。
実は、人間は寝だめをすることができません。休日に「10時間も寝たから大丈夫」と安心するのは、間違いなんです。「寝だめしても疲れがとれない」「眠気が残る」なんて実感している人も多いのでは?
では、なぜ寝だめはできないのでしょうか。睡眠改善委員会のサイト『かくれ不眠ラボ』からその理由をご紹介します。
■眠りの深さにはサイクルがある
睡眠の深さにはサイクルがあります。まずは下の“睡眠段階と眠りの程度”を見てみましょう。
段階1・・・まどろむような浅い眠り
段階2・・・軽い寝息をたてる程度の眠り
段階3・・・名前を読んでも目覚めないほどの深い眠り
段階4・・・よほど強い刺激でないと起きない。δ(デルタ)波と言われる脳波が出現し、波の割合が少ないのが段階3、半分以上になった状態を段階4という
人の睡眠は90分単位で変わります。まず、段階1のごく浅い眠りから始まり、ノンレム睡眠を経てだんだん深くなり、また浅くなって再び段階1になるころ、レム睡眠という睡眠に入ります。90分の間に段階1から4、4から1と眠りの深さが変化していきます。
深い睡眠の間は“大脳を沈静化するための眠り”と言われ、脳の活性は低下しています。この間に脳はじっくり休め、疲れをとることができます。
■寝だめしても深く眠れていない
通常、眠りに入ってから数時間は、この深い睡眠を含んだ変化を2~3回繰り返しますが、やがて深い睡眠は現れなくなり、段階1と2の睡眠を繰り返すようになります。つまり、次第にまどろんで寝ているだけの状態になるため、疲れがとれないのです。
たくさん寝た分疲れがとれているわけではなく、1日に深く眠れる時間は決まっています。早く帰宅したり、娯楽は休日にまとめたりするなどして、毎日一定の睡眠時間をとれるよう工夫をしましょう。
多忙な現代人は、睡眠時間をそう簡単には確保できませんが、“その日の疲れはその日にとる”という意識で、睡眠をとるように心がけてくださいね。
http://wooris.jp/archives/57311