長い人生、自問自答することもあります。しかし、頭に浮かんだことがすべて自分にとって有益なものとは限りません。実際、考えない方がいいことや、間違った方向に行ってしまうようなものもたくさんあります。
今回は、あまり自問自答しない方がいい質問を5つあげました。この質問が頭に浮かんだ時は、言い換えたり、質問の方向性を変えてみたりしてください。細かな言い回しの違いでも、心には大きな影響を及ぼすものです。
1. なぜ私はここにいるのだろう?
結婚に失敗したと思った時、背中の手術中、宝くじを買う時、バスの中でふと、この質問が頭に浮かんだら、前に進むのに目的は関係ないと思いましょう。その状況が気に入らないのであれば、状況を変える唯一の方法は、今この瞬間にしかありません。「なぜここにいるのだろう?」という質問は、頭の中が過去に引き戻される質問なので、問題解決から遠のきます。
自分の意識を現在に戻すより良い質問は、
「ここから私はどこに行こうか?」
「自分が辿り着いた場所を一晩で変えることはできないが、目的地を一晩で変えることはできる」
― Jim Rohn
2. なんで私が?
この質問は被害者意識のかたまりです。自分が被害者になりたくない主な理由は、被害者にしか起こらないことが自分に起こっているからです。被害者にはどうしようもないことが起こり、自分で状況をコントロールすることができません。被害者は自分のできることに意識を向けようとせず、自分の身に降りかかったことに意識を向けます。被害者意識と反対の意識を生み出すには、どのようにすればいいでしょうか? 当たり前のようですが、反対のことを自問自答すればいいのです。
「私だよね?」(これは確率の質問になります)
「”なんで私が?”なんてくだらない質問に宇宙は答えてはくれない。”やってやろうじゃないか”」
― Christopher Hitchens
3. どうすれば痩せられるんだろう?
この質問は一見悪くなさそうに思えますが、実は相当ひどいです。この質問は、問題(太ってしまったこと)を一時的な問題としてとらえています。レスリングの試合のために減量しようとでもしていない限り、本当に体重を落としたいと思っているのか疑わしく、1ヶ月後にはまた同じ質問をしているでしょう。減量に取り組むようにする質問が、その理由を明らかにしてくれます。
「痩せるためにはどんな人間になればいいのだろう?」
この質問には、問題を解決する方向へと意識を変えてくれ、その解決方法は間違いないものです。体重というのは、遺伝的な体質を除けば、基本的にはアイデンティティの根幹となる生活スタイルがもたらした結果です。「どうすれば痩せられるんだろう?」という質問の答えとして、「運動をする」「野菜を食べる」「食べる量を減らす」のような物理的な答えと行動を導き出し、それだけを機械的に変えようとしていると、結局精神的にもたなくなります。
「どんな人間になるべきか?」という質問は、自分の価値観や習慣のような内面の変化を目標にするので、自然と体重が減っていきます。自分が自然と作り上げてきた性質と相容れない生活を強いるのではなく、もっと本質的なレベルでの変化が起こるので、長く続けることができます。アイデンティティを変えるには、まず今のアイデンティティと新しいアイデンティティのもたらすものを比較してみましょう。どちらが良いでしょうか? どちらが悪いでしょうか? 全体的にどちらを選びたいですか?
「どうすれば痩せられるんだろう?」という質問は、結果を求めるものです。「どんな人間になるべきか?」という質問は、変化を求めるものです。変化を追求すれば、おのずと結果はついてきます。結果だけを追求すれば、結局何も残らないことが多いです。
「なりたい自分になることを考え始めなければならない」
― David Viscott
4. なぜ誰も話しかけてくれないんだろう?
なぜ誰かに話しかけないんですか? 誰かと話したいなら、誰かから話しかけられるのを待つのではなく、誰かに話しかけるのがあなたのやるべきことです。あなたのすべての会話は、あなたが始めるか、誰かが始めるかのどちらかです。あなたが会話を始めなければ、あなたが話したくないと思っているような印象を人に与えることになります。
孤独な気分になった時に自分に問いかけるなら、もっと生産性のある良い質問にしましょう。
「なぜ自分はあの人に話しかけに行かないのだろう?」
「ここには知らない人はいない。ただまだ会ったことがない友だちがいるだけだ」
― William Butler Yeats
「恐怖は友だちになるかもしれない人を知らない人にする」
― Shirley MacLaine
5. いつになったら成功するんだろう?
この質問は、どうやって目標を成し遂げるかということを考えずに、結果だけを求めているものです。「一夜にして成功した物語」のようなものを聞いたことがあると思いますが、そこには知られざる何年もの積み重ねてきた過程があります。成功するタイプの人間になろうと考えるようにします。最終的に成功につながるような過程について考えます。成功について考えるのではない、もっと良い質問にしましょう。
「今日少しでも前に進めることができたことは何だろう?」
「結果だけを見ている時は何も変わらない。変化に目を向けると結果がついてくる。」
― Jack Dixon
Stephen Guise(原文/訳:的野裕子)
Photo via Shutterstock.
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/healthcare/lifehacker_35515.html