「騙す」という行為は、気分が良くなるためにするようなものではありませんが、騙した後で気分が良くなることはあります。英心理学協会調査研究所が、なぜ騙すと少し気分が高揚するのかを説明していました。
反倫理的な行動をすると嫌な気分になると思われていることが多いですが、実際にはそのような行動からちょっとしたスリルや興奮を感じます。研究所が発行している『Journal of Personality and Social Psychology(人格・社会心理学ジャーナル)』では、このような状態を「騙しハイ」と呼んでいました。
ある研究で、イギリスの大学の179名の学生を対象に、回文を作ったら報酬として現金がもらえるという実験をしました。被験者の41%は、答えを見た後でそれを回答として追加するというカンニングをしました。テストの後で、このようなカンニングをした学生は、正直に答えた学生に比べて、良い気分になっていました。
また別の研究では、人間はなぜ騙すことから快感を覚えるのかを解明していました。ネットで募集した205人の被験者に、回文を作ったら報酬として現金をあげるようにしました。何人かの被験者には「答えをチェックすることができないので、正直に答えるようにしてください」と伝えました。カンニングをしようと思っていた人に、それをするとルール違反になるということを分からせ、できるだけやらないようにするのが目的です。実際、このメッセージを受け取ったのに、自分の得点について嘘の申告をした人は、メッセージを受け取らずに嘘の申告をした人よりも、自己満足感が大きかったのです。
Ruedyさんと研究者たちは、騙すことのスリルや快感は、自己欺瞞から生まれているのではなく、悪いことをしているのにバレなかったというところから来ているのだと言っています。
どちらの研究も、もらえる報酬の額はとても少ないものでしたが、興味深い結果でした。
The cheater’s high – how being bad feels good | BPS Research Digest
Thorin Klosowski(原文/訳:的野裕子)
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http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/healthcare/lifehacker_35567.html