高齢者の消費者被害に関する相談が全国の消費生活センターに多く寄せられています。
高齢者は「お金」「健康」「孤独」の3つの大きな不安を持っているといわれています。悪質業者は言葉巧みにこれらの不安をあおり、親切にして信用させ、年金・貯蓄などの大切な財産を狙っています。高齢者は自宅にいることが多いため、訪問販売や電話勧誘販売による被害にあいやすいのも特徴です。
また、視覚や聴覚機能の衰えによる事故など、危害や危険にあうことが多いという特徴もあるため、家庭内事故の割合が高くなっています。
トラブルにあわないために、高齢者に多いトラブルの事例や手口などの「情報」を集めることはとても有効です。
相談件数の推移、販売方法・手口別相談件数の上位10件、それぞれの商法の特徴と高齢者に多いトラブルの事例や手口を紹介します。
相談件数は近年10万件超
全国の消費生活センターに寄せられた契約当事者が70歳以上の相談の件数は、2004年度に10万件を超え、2012年度は約16万件で、相談全体の約19%を占めています。
契約当事者が70歳以上の年度別相談件数(2013年5月末日までの登録分)
2003年度 99,033件
2004年度 129,392件
2005年度 139,685件
2006年度 135,014件
2007年度 109,166件
2008年度 115,521件
2009年度 122,430件
2010年度 138,710件
2011年度 148,696件
2012年度 160,904件
販売方法・手口別件数(上位10位)
2012年度の契約当事者70歳以上の相談を販売方法・手口別にみると、次のようになっています。(カッコ内は、契約当事者70歳以上の相談(160,904件)に占める割合)(2013年5月末日までの登録分)
- 1.電話勧誘販売 31,974件(19.9%)
- 2.家庭訪販 23,730件(14.7%)
- 3.利殖商法 12,072件(7.5%)
- 4.被害にあった人を勧誘(二次被害) 7,436件(4.6%)
- 5.代引配達 5,860件(3.6%)
- 6.インターネット通販 4,987件(3.1%)
- 7.次々販売 4,945件(3.1%)
- 8.当選商法 4,020件(2.5%)
- 9.無料商法 3,598件(2.2%)
- 10.販売目的隠匿 3,188件(2.0%)
- (注1)1件の相談に複数の販売方法・手口が含まれる場合は、各々に対し1件ずつカウントしている。
- (注2)「電話勧誘販売」「家庭訪販」「代引配達」「インターネット通販」は販売方法に問題があるとカウントされたもののみを対象に集計した。
- (注3)「販売目的隠匿」には「アポイントメントセールス」は含まれていない。
電話勧誘販売
特徴
販売業者が消費者宅や職場に電話し、商品やサービスを販売する方法。消費者が要請していないにもかかわらず、業者が電話により消費者を勧誘するケースがほとんど。強引な勧誘や、虚偽説明、説明不足などの問題もみられる。
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/koureisya.html