野菜をたっぷり使ったベジソバとカフェのような店内で注目を浴びるラーメン店「ソラノイロ」。ラーメンwalker GP 2013 東京23区総合部門で1位となった名実ともなう有名店だ。その店主・宮崎さんが「手作りから食育の大切さを伝えたい」と一般人向けにラーメン教室を開催した。コツを覚えれば、簡単な材料でもお店顔負けの味になるという。シンプルな醤油ラーメンの作り方を惜しげもなく大公開してくれた。
会場は10月に渋谷から紀尾井町に移転し、リニューアルオープンしたばかりの「COOK COOP BOOK」。食にまつわる本や雑貨などを扱う書店の店内にある、お洒落なキッチンスタジオだ。第1回「家でおいしいラーメンのススメ」は参加費5250円で、20代から50代の男女が集まった。TwitterやFacebookで聞きつけた店主のラーメンファンだけでなく、この書店が行っている料理教室に参加したことのある主婦や、普段料理はしないけどラーメン作りの裏側に興味を持った人など様々だ。
■材料
スープの材料はなんと豚肩ロースブロックのみ!豚肉は沸騰してから1時間半弱火で煮て、すぐ引き上げるのがコツ。この茹で汁を活用する。浮いてきた脂も使うので、すくっておこう。味の決め手となるタレはチャーシューの煮汁だけ。一度沸かして火を消した濃口のヤマサ醤油に、茹でた豚肉を30分間漬込んだらチャーシューの完成だ。トッピングは手作りチャーシューの他、ソラノイロ自家製の煮卵とメンマ、海苔、玉ねぎのみじん切りを用意した。しかしこれだけ簡単だと逆に不安だ。
■重労働の麺作り
今回のメインは手作り麺。材料は強力粉と薄力粉をブレンドした粉500g、かん水230cc。かん水は5%濃度の塩水で代用できる。粉をボウルに入れ、かん水を半分、4分の1ずつと3回に分けて注ぎ、粉をまとめていく。その際、ひっかく手つきのように指は曲げた状態のまま、肘下だけを動かすのがコツ!意外と力が必要で、腕が辛いという声も。全力でこねるので、この時点でみんな汗だく。粉に水分がなじんでツヤがでるまでが目安だ。まとめた生地をビニール袋にいれ20分休ませると、柔らかい耳たぶのような触感に。それを軽快なステップで踏みつけ平に延ばしていく。かかと、足のへり、足の指の付け根を使って、外側に押し広げるのがコツ!途中、先生の作った見本を触って確認ができるのが良い所。最後はパスタマシンで製麺し、麺が完成した。
■スープの秘訣
宮崎さんは日頃、提供する時の温度にとても気を配っているという。丼ぶりは一度お湯を入れて温めよう。また、スープの味もタレを入れる順番で変わってしまう。1タレ、2脂、3スープの順で入れると、脂が溶け込み乳化して美味しくなるそうだ。麺が浮いてきたら茹で上がった合図!しっかり湯きりして、トッピングで仕上げ。ようやく手作りラーメンが完成した!
■最高の一杯を試食
いよいよ試食タイム。まずスープを一口飲んで驚いた。あの簡単なスープでここまでダシが出ているとは。懐かしさが込み上げる昔ながらの中華そばの味だ。参加者も声をそろえて「予想以上に美味しく、お店で売っていそうなレベル」と、はしが止まらない。細麺はモチモチと手作りならではの優しいコシ。小さな子供を持つ男性は「自宅で家族に作ってあげたい」と大満足の様子。家族や友人と一緒にイベントとして作ってみるのも楽しそうだ。
次回のラーメン教室はシュウマイや餃子などのサブメニューを考えているそう。参加希望者は「ソラノイロ」に直接問い合わせてみよう。他には人気ラーメン店「凪」でも違った形でラーメン教室を実施している。ラーメン作りは、お店の苦労を実感でき、食に対する敬意が湧く貴重な経験であった!【東京ウォーカー】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131104-00000005-tkwalk-ent