厚生労働省が来年度に、摂食障害治療の拠点を全国に10か所程度作ると発表しました。1998年に行われた調査では、1980年と比較して約10倍の摂食障害患者が確認されており、現在はさらに増加していると考えられています。
摂食障害は、主に体重の増加を気にして食べられなくなるタイプと、何らかのストレスで過剰に食べてしまうタイプに分かれます。過食して嘔吐する人もいれば、下剤を乱用する人もいるので、細かな分類はさらに可能です。拒食症になると約半数が全快できず、7%が死亡しているという調査もあります。
摂食障害は、スリムな体が善であると考える現代社会において、誰もが陥る可能性のある病気です。そこで今回は、摂食障害を引き起こしてしまいかねない、身近な行動を考えてみたいと思います。
■体重計に乗り過ぎると、摂食障害のリスクが高まる?
「太ったのではないか」という気持ちから体重計に乗り、実際に太っていたためダイエットを開始する女性は多いはずです。しかし、この誰にでもある行動が、実は摂食障害を引き起こす1つの要因になっている可能性があります。
なぜなら摂食障害は、
(1)体重に過度にこだわる
(2)体重、体型の変化が自己評価の最大ポイントになる
といった心理があるからです。もちろん、上記にあてはまるからといって誰でも摂食障害となるわけではありません。社会・文化的要因、心理的要因、また生物学的要因が複雑に関与しています。
■体重計は決まった曜日の決まった時間、週1回でよい
毎日体重計に乗るよう勧めるダイエット法が世の中に出回っていますが、体重は日々変動します。その変化を細かくチェックして一喜一憂していると、体重・体型が自己評価の最大のポイントになってしまう可能性があります。
体重・体型が自己評価と深く結びつくと、目標をクリアするために過度な拒食を始めてしまったり、逆に下剤を飲んで日々の体重につじつまを合わせようとしたりする動機に繋がりかねません。
「摂食障害となった身体を元の健康な状態に戻すため、食事のたびに体重計に乗らない」というシンプルなアドバイスがあります。決まった曜日の決まった時間、週1回でよいのです。
すでに毎日体重計に乗らないでは気が済まない方は、黄色信号です。摂食障害は低体温、低血圧などの諸症状のほか、不整脈などを引き起こし、最悪の場合は死に至ります。深刻な病気だと改めて自覚する必要があります。大事に至る前に自分の行動を客観的に見てみて、「もしかして?」と思ったら早めに専門医を受信してみてくださいね。
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