11月株式市場の傾向(日経225銘柄)
11月は、10月と同様に株価は下がりやすい傾向があります。今回は、下がりやすい相場の中、特に株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介します。株価が下がりやすい銘柄を事前に把握することで、不用意に損失を被るリスクを回避することが出来るでしょう。
株価が下がりやすい銘柄をご紹介する前に、11月の株式市場について検証していきます。10月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、11月末に売却した場合の成績は以下の通りです。
【検証結果】
勝率: 41.12 %
勝ち数: 1,864 回
負け数: 2,669 回
引き分け数: 57 回
平均損益(円): -4,705 円 平均損益(率): -1.57 %
平均利益(円): 25,594 円 平均利益(率): 8.53 %
平均損失(円): -25,965 円 平均損失(率): -8.66 %
合計損益(円): -21,594,385 円 合計損益(率): -7,198.27 %
合計利益(円): 47,707,428 円 合計利益(率): 15,902.77 %
合計損失(円): -69,301,813 円 合計損失(率): -23,101.03 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.688
平均保持日数: 27.70 日
以上が、11月の株式市場の傾向(日経平均225銘柄)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は41.12%、平均損益は-1.57%となっています。勝率が5割を切っており、1トレードあたりの平均損益がマイナスとなっていることから、11月の日経平均採用銘柄は、下がりやすい傾向があると言えるでしょう。なお、全銘柄を対象とした検証は、「11月株式市場の傾向は?」で取り上げていますので、こちらもあわせてご覧下さい。
今回の検証では、日経平均採用銘柄(225銘柄)は11月相場では下がりやすい傾向があることが確認できました。では、相場全体の株価が下がりやすい傾向のある11月で、特に株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介したいと思います。
11月低成績ランキング
上記の表は、先ほどの日経平均採用銘柄(225銘柄)を対象とした検証において、勝率が低い銘柄のランキングです。今回は勝率が35%以下の銘柄をご紹介しています。ランキング上位の銘柄の傾向を確認すると、
<3086>J.フロント リテイリング [勝率20%]
<3099>三越伊勢丹ホールディングス [勝率20%]
<8233>高島屋 [勝率22.7%]
といった銘柄が挙げられます。上記3銘柄は「百貨店関連銘柄」です。「百貨店関連銘柄」が11月に下がりやすい要因には、「12月の年末商戦を控えて売りが出やすい」ことが挙げられるでしょう。「百貨店関連銘柄」は事業の特性上、年末商戦がある12月が1年で一番売り上げを計上します。そのため、12月は、「百貨店関連銘柄」の業績を大きく左右するとても重要な月と言えます。また、株価材料としてもとても重要なイベントと言えるでしょう。11月は、年末商戦を控えて、リスク回避を目的とした売りが出やすく、株価が下がりやすい傾向があると言えるでしょう。
なお、11月は下がりやすい傾向のある「百貨店関連銘柄」ですが、12月は株価上昇しやすい傾向があります。12月は、年末商戦が本格化し、12月の売上の見通しが立ちやすくなったことで、買戻しが入りやすくなることが要因でしょう。11月の株価は例年下がりやすく、12月は上がりやすい点を考慮すると、11月末は「百貨店関連銘柄」の押し目買いのチャンスとも言えるでしょう。
業種や個別銘柄は、月によって、株価が上がりやすい月と、下がりやすい月があります。今回のように簡単な検証をすることで、11月の投資戦略を考える上での、有効な判断材料の1つになることでしょう。これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、安心してトレードに臨むことができる心強い味方となってくれるでしょう。みなさんも投資する際には是非一度検証してみてくださいね。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)