男女ともに増え続けている「大腸がん」。早期に発見すれば完治することができるが、多くの人が早い段階で発見できる選択をしていない！大腸がんの正しいチョイスを紹介。
●「大腸がん」とは？
盲腸、結腸、直腸からなる「大腸」にできるがん。死亡者の女性１位、男性３位と増え続けている。大腸がんは時間とともに進行していくが、自覚症状がないままのことが多い。
気づかずに放っておくと他の臓器へ転移する可能性が高くなり、命の危険な状態になる。
●大腸がんの治療の選択は“深さ”による
大腸の壁は簡単に分けると食物などの通る内側から「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」の３つに分かれる。がんが「粘膜下層」までにとどまっていて、リンパ節転移がない状態が「早期がん」。
この場合、基本はおなかを切らずに、内視鏡を使ってがんをとる治療が可能。早期がんでも少し深くまで進行していると、リンパ節に転移している可能性も考えて腸ごと切り取る場合もある。
さらに「固有筋層」まで深くなると「進行がん」となり、開腹手術や抗がん剤治療になる。
●早期発見のチョイスが大切
早期に発見するための検査は
★「便潜血検査」
大腸がんは出血しやすく、そのため便に血液が混じるようになる。この血液を調べて、がんがあるかどうか可能性を調べるのが「便潜血検査」。器具の先端で便を５～６か所つついたり、便の表面をなぞったりして採取。計２日間行う。目に見えない血液の量でも捉えられる。
痔（じ）でも反応するため、この検査で陽性としても、必ずしもがんとは限らない。あくまでも”がんの可能性”を見つける検査で、陽性の場合、内視鏡による精密検査が必要。費用は無料から数百円。（自治体によって異なる）
★「大腸内視鏡検査」
内視鏡を肛門から入れて行う検査。大腸の内部を映し出すモニター画面を見て大腸の状態やがんの有無を詳しく調べることができる。１００倍に拡大してポリープ（突起物）のパターン／顔つきを直接確認し、将来がんになるのか、がんそのものなのか、また深さはどのくらいかなど調べることができる。
また、内視鏡は細胞の採取や小さな腫瘍を切除することもできる。検査を受ける人は、前日および当日に下剤を飲んで大腸の中をきれいにする。検査時間は２０分程度。費用は、便潜血検査などで”要精密検査”となった場合、保険適用３割自己負担で５０００円程度から。医療機関よって費用は異なる。大腸に異常がなく内視鏡検査を受ける場合は、全額自己負担となる。
●ポリープはがんになる？
ポリープには、がんになるものとならないものがある。「過形成ポリープ」というポリープは、がんにならないタイプ。「腺腫（せんしゅ）」というポリープは、放っておくとがんになる可能性があるタイプ。いわば「がんのもと」。治療が必要なものは「がん」とがんのもとになる「腺腫」。
●大腸がんの「５年生存率」
治療後の直腸がんの５年生存率は、早期がんだと９６．９％。進行がんで８６．４％。リンパ節まで転移している場合でも７１．１％。しかし、ほかの臓器にまで転移してしまうと１６．３％と低くなる。早い段階で大腸がんを発見できれば生存率が高いが、受診率は低い。４０代になったら、検査を受けることが大事。
●大腸がんのリスク
国立がん研究センターが１４万人に行った追跡調査によると、大腸がんのリスクは・・・
★「肥満」１．４倍
男性ではＢＭＩが３０以上の場合、標準（ＢＭＩ／２３～２４．９）に比べ１．４倍。肥満の原因としての「高脂肪・高エネルギーの肉食がすき」「運動不足」もリスクになる。
★「アルコールを毎日２合以上飲む」２．１倍
適量を越えたアルコールは消化管に大きなリスクを及ぼす。１日の適量とされる、日本酒１合と比べると２合以上の場合、大腸がんでの死亡リスクは２．１倍になる。
★「喫煙」１．４倍
喫煙者は大腸がんで亡くなるリスクは非喫煙者の１．４倍。
★「親族に大腸がん患者」「４０歳以上」もリスクが高くなる。
http://news.goo.ne.jp/article/choice/life/choice-20131012-c-001.html
