睡眠にプラスの効果があることは、まぎれもない事実です。心も体もはつらつとした状態を保ち、トータルで健康でいるためには、十分な睡眠が欠かせません。そしてこのほど、新たな研究により、睡眠がもたらすもう1つの大きなメリットが判明しました。睡眠は、脳内に生じる有害な毒素を取り除いてくれるというのです。
脳に蓄積する液体の中には、アルツハイマー病などの疾患と関連するものがありますが、こうした有害物質を取り除く働きは、寝ている時にしか活発化しないことがわかりました。
ロチェスター大学（University of Rochester）医療センターの研究チームが、ラットの脳内老廃物の流れを調べる中で明らかにしたものです。この研究で、ラットの脳では、眠っている間にこうした毒素の除去が活発化することがわかりました。就寝中は、覚醒時より脳細胞が60％ほど収縮するため、細胞の間のスペースに余裕が生まれ、老廃物を取り除きやすくなるようです。
この研究に関する論文の共著者で、ロチェスター大学医療センターのMaiken Nedergaard教授は「Live Science」の記事の中で、この仕組みを次のように説明しています。
「脳が自由に使えるエネルギーの量は限られています。そのため、覚醒し、意識のある状態か、眠っていて老廃物を排出する状態か、2つの異なる機能状態のどちらかを（選択する）しかないようです。自宅でパーティーを開くとしましょう。お客様をお迎えしてもてなすか、家の掃除をするか、どちらか片方だけに集中することはできますが、両方を同時にこなすのは現実的に困難です」
睡眠の重要さを裏付ける根拠が、また1つ増えましたね。どうも調子が悪い、という時は、睡眠の「アップグレード」を行う必要があるようです。
Sleep Drives Matabolite Clearance from the Adult Brain (Abstract) | Science via Live Science
Melanie Pinola（原文／訳：長谷睦／ガリレオ）
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http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/healthcare/lifehacker_35399.html
