自称・美意識の高い友人によると、彼女はビタミン・コラーゲンをはじめ、ひいては何やらけったいな名のサプリまで計20種ほど摂取しているそう。サプリは本当に「飲めば飲むほど良い」のでしょうか。
銀座6丁目にある「薬剤師カフェvita」では、医療関係者しか入手できないサプリを販売しています。代表の平井陽子さんは薬剤師としての経験・知識を生かし、病院にかかる前すなわち「予防医学としてのサプリ」を広める啓蒙活動を行っています。平井さんに、正しいサプリの飲み方について伺ってきました。
◆自己判断での「サプリ飲みあわせ」は危険
――どのような年齢・悩みの方が来店されるのですか。
「女性は20代後半くらいから、上は80代の方までいらっしゃいます。相談内容は、女性はやはりアンチエイジングに関するものが多く、男性、特に中年の方は疲労回復を目的とされていますね。男女比は4:6で少し女性が多いくらいです」
――後ろの棚に並んでいるサプリと市販品との違いは何でしょうか。
「ここでは、アメリカで製造された医療関係者しか入手できないものを販売しています。保険制度の違いもあり、アメリカでは予防医学としてのサプリの意識が高く、例えばビタミンCを見ても日本の市販品の含有量がせいぜい75mg(1日の目安、以下同じ)なのに対し、ここでは1400mgのものを扱っています」
――約20倍も違いますね!となると、少し副作用なんかも考えてしまうのが正直なところなのですが……。
「薬剤師が扱っているものなので安心してください。それより、自己判断で適当に飲み合わせる方が危険です。サプリと医薬品(第三類)を同時摂取する方が多いですが、合わせ方によっては効果を失ったり副作用が出ることもありえます」
◆コラーゲンはいくら飲んでも吸収されない
――個人的に、日本のサプリの中には「ほとんど入っていない、もしくは効果がないのにさも効果があるように唱っている」ものもあると思うのですが、薬剤師としてどう思われますか。
「確かに日本のサプリ業界は効果より利益重視なところがありますね。例えばコラーゲン系の商品です。コラーゲンの分子は大きく、実はいくら飲んでも体内に吸収されません。また、少し前にコエンザイムが流行りましたが、以前某社の含有量を見たとき、たった1mgしか含まれていませんでした。アメリカでは200mgくらいですので、効果の違いは一目瞭然です」
――なんだかますます「ゼニ」のにおいがしますね(笑)。
「仕方ないですね。1.4兆円規模の化粧品市場に対し、健康食品は2兆円を超えていますから……。皆さんが市販のものを購入するときには、含有量をチェックしていただければと思います」
――こちらのサプリのお値段はどれくらいでしょうか。
「1ヶ月単位で販売しており、例えばダイエット目的で3700円、美肌目的で6000円からです。カウンセリングは約20分1000円(オリジナルお酢ドリンク付き)ですが、サプリを購入した方は無料になります」
サプリにまつわる裏話を聞き、気休め程度にビタミン剤を飲んでいた筆者にはサプリに対する考えを改めるきっかけとなりました。「毎日飲んでいるのに効果が得られない」という人には薬剤師によるきちんとしたカウンセリングをお勧めします。 <TEXT/井上こん>
●薬剤師カフェVita http://vitacaffe.jp/ (医療用サプリの通販もあり)
【平井陽子さんプロフィール】
帝京大学薬学部卒業、2007年薬剤師免許取得。同年、 国立がんセンター中央病院に受託研究薬剤師として勤務。2010年アインファーマシーズ・ アインズ&トルぺ原宿クエスト店で、医薬品・健康食品を担当。2011年薬剤師カフェ・ヴィタに店長として就任
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131026-00041689-jspa-life