セクハラ、パワハラ、マタハラ…、オフィスにおける“ハラス”が続々と出現するが、最近知ったのは「スメハラ」。通称スメハラはスメルハラスメントといい、体臭などのニオイで周囲に不快感を与えることだそうだ。また、「オフィスでは“無臭男子”がモテる!?」という調査結果もあり、「ハラスメント」同様「○○男子」という言葉も氾濫している。
■口臭、汗のニオイ、加齢臭…
加齢臭対策の商品などを手がけるブラシナ(東京都品川区、本店・愛媛県)が、都市部に住む男女600人を対象にアンケートを実施したところ、スメルハラスメントという言葉を知っている人は約27%と認知度は低い。しかし、スメハラの言葉は知らなくても、オフィスや職場で他人のニオイが気になると回答した人が約80%もいた。もっとも気になるのは、口臭、汗のニオイ、加齢臭…という結果だった。
また、どんなニオイの男性が好ましいかという質問に対しては「無臭であること」が80%近くと、デオドラント製品や香水のニオイを大きく引き離し支持された。逆に香水などの香りは約半数が「気になる」と答えている。香水やポマードの香りがぷんぷん漂ってくる男性はちょっと…ということなのだろう。
■“オス”の本能放棄する行為
それは女性も同様だ。香水1瓶を頭からぶちまけたの? というほどのニオイをふりまく女性はもちろん、多くの女性が集う会などで「化粧と香水がまじっった部屋に長時間一緒に居て気分が悪くなった」という男性の声もよく聞く。
スメハラは男女ともに関わる問題で、香水を多量につけるのを避けたり、入浴や歯磨きである程度回避できるものもある。とにかく、オフィスでモテるためには「無臭男子(女子)」を心がけるとよい、ということだろう。
本紙夕刊コラムでおなじみの精神科医、片田珠美さんにニオイについて聞いたところ「体臭は性的なものと深い関連があり、性欲の象徴ともいえる。異性を引きつけるニオイを消すというのは動物というより植物に近い」と説明を受けた。なるほど、「草食男子」がモテはやされるのもうなずけるというものだ。
メンズファッションの世界でもジェンダーレス(性差がない)な服が増えていて、ワンピースやスカートをはいた男性を見ても、違和感を覚えなくなってきた。この傾向は今後もしばらく続くと思われる。
さて、スメハラの問題。「無臭男子」がモテるのはいいとしても、セクハラやパワハラなどとは違い、自分ではどうしようもできない問題もある。何でもかんでもハラスメントといってしまう昨今の風潮もいかがなものかと思ってしまうのだが…。(杉山みどり)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20131026505.html