[ カテゴリー:医療, 生活 ]

がんに効く「特効薬的サプリ」はあるのか?

2兆円ともいわれるサプリメント市場。だが「ええっ!  こんなものが原料に使われているの? 」といった話や、サプリに「入っているはず」の有効成分が目標値にすぎなかった、といった話が少なくない。
この短期連載では、医療機関向けの専門メーカー社長で、このほど『サプリメントの正体』(小社刊)を出した田村忠司氏が、サプリメントの実態に迫る。第1回は、がんに効く「特効薬的サプリ」はあるのかについて、解説する。
がんの治療も最近は目覚ましく発達していますが、それでもがんにかかってしまった方の心痛は大変なものだと思います。通常の治療のほかにサプリメン トを飲んでいるがん患者さんは多いと聞きます。しかし、「どこぞの秘薬」などといった、特殊なサプリメントに安易に手を出すのは、お勧めできません。

【詳細画像または表】

■ そもそも、どうしてがんになるのか? 

まず、がんになったのには必ず原因があります。がんの治療にかかわっているドクターの話を総合すると、がんの原因は大きく2つあり、ひとつは血行障 害です。血行が不良で酸素の供給が不十分な環境は、細胞にとって生きるのが大変です。そこで生まれた、「低酸素状態でも生き延びる能力を身に付けた細胞」 というのが、がんの角度を変えた見方です。

もうひとつは慢性の炎症がある場合です。炎症によってある部分の細胞が死んでしまうと、周りの細胞が分裂して、開いてしまった穴を埋めます。細胞が 分裂する際には、染色体の端にある「テロメア」という部分が短くなります。テロメアが限界を超えて短くなると、細胞はそれ以上分裂することができません。

慢性の炎症があって、その部分の細胞が次々に死んでしまうと、周囲の細胞が一生懸命細胞分裂して、その部分を埋めないといけません。テロメアはどん どん短くなっていき、しまいには細胞は分裂することができなくなります。できてしまった傷を埋めるために、テロメアーゼをもう一度活性化させて、再び分裂 ができるようになった細胞、それががんのもうひとつの顔なのです。

低酸素状態で生き延びるために生まれたがん、慢性の炎症を修復する課程で生まれたがん、過酷な環境下でなんとか生き延びようとしている細胞、それががんだという見方もできます。後ほど詳しく触れますが、この2つが原因の場合、それを取り除くことがまず優先です。

■ もしも、がんになってしまったら? 

もしも、がんになってしまったら、がんの種類や進行度合いにもよりますが、やはりお勧めなのは、基本的な栄養素の補給でしょう。最近では大量のビタミンCを点滴するという方法も注目されています。

がん細胞は非常に分裂が早いので、自分の成長のためにどんどん栄養を吸い取ってしまいます。すると正常な細胞が栄養不足で衰弱してしまいます。一方、体内でがんと闘ってくれる免疫細胞(主にリンパ球)もしっかり働くために栄養素を必要としています。

リンパ球ががんやウイルスに侵された細胞の掃討作戦を行うと、活性酸素が大量に発生して、自分たちもダメージを受けてしまいます。それを防ぐために、活性酸素を消去する抗酸化物質が大事になってきます。

抗酸化物質にもいろいろありますが、ビタミン類ではビタミンC、ビタミンEなどがあります。特にビタミンCはしっかり摂取すべきでしょう。

がん患者の栄養管理はとても重要な問題です。がんにできるだけ栄養素を取られずに、正常な細胞に必要な栄養を届けるにはどうするか? 

がん細胞は大量のブドウ糖を消費します。血糖値が上がりやすい炭水化物に偏った食事はがんを喜ばせることになるので、避けるべきでしょう。実際に、 糖尿病の患者さんは、がんの発生率が高いことが知られています。がん予防の意味でも過剰に糖分を摂ることは控えたほうがいいのです。

もし、私自身ががんにかかったとしたら、体に十分な栄養を補給しつつ、がん細胞にはエネルギーを与えないよう、炭水化物を控えめにして、タンパク質やビタミン、ミネラルたっぷりの食生活を心掛けます。

■ がんをたたく「特効薬的なサプリ」はあるのか

「サプリメント」という言葉から連想される、錠剤やカプセルの形をしたものという意味であれば、がんをたたく特効薬的な存在の有無はよくわかりません。しかし、広い意味で状況を改善するための方策は存在します。

それは、先ほど述べたような、がん発生の根本的な原因にアプローチし、喫煙や過度の飲酒、運動不足、過度のストレス、炭水化物に偏った食生活、抗酸化栄養素の摂取不足、慢性的な炎症の放置など、体内にがんを産み出してしまった自分自身の生活態度を反省し改善することです。

これらは、がん発生の原因であると同時に、回復を妨げる要素でもあります。こうした根本的な原因を放置したままでは、仮にがんをたたく効果的な治療法が存在したとしても、効果を発揮させるのは難しいでしょう。

●禁煙と、過度の飲酒をやめること

●食生活を改善すること

〇加工食品を避け旬のフレッシュな食材を食べる

〇炭水化物(特に糖分)の摂取を控える

〇抗酸化栄養素の不足がないように心掛ける

●運動量を増やすこと(血行をよくし、体にきちんと酸素を行き渡らせる)

●生活上のストレスを減らすこと

●慢性の炎症を解消し、血糖値を正常値にすること

といった方策のことです。

サプリメントメーカーの中には、がんに対して有効なものとして、プロポリス、フコイダン、アガリクスなどの特殊なサプリメントを推奨する企業もある ようですが、私自身はそれらの有効性について、詳しくはありません。ドクターの中には、こうした素材を評価なさる方もおいでになりますので、ある程度の効果は期待できるのかもしれません。

こうした特殊なサプリメントは、くれぐれも怪しい業者から購入するのではなく、信頼できるドクターの指導に基づいて利用することをお勧めします。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131026-00022520-toyo-soci

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131026-00022520-toyo-soci&p=2

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131026-00022520-toyo-soci&p=3

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