坂道や階段で息が切れる場合はCOPDや心不全など、発作的な呼吸困難が起きる場合はぜんそく・不整脈・心筋梗塞・気胸などがそれぞれ疑われる。肺炎や過換気症候群も息苦しさの原因。
1.息苦しさの原因
“息苦しさ”は、肺や気管支などの呼吸器の病気や心臓の病気をはじめ、さまざまな部位の病気や原因によって起こることがあります。肺は、吸い込んだ空気から酸素を血液中に取り込んで心臓に送り、心臓は酸素を含んだ血液を全身の細胞に供給します。心臓からは二酸化炭素を含んだ血液が肺に送られ、肺は血液から二酸化炭素を受け取り、呼気として体外に排出します(ガス交換)。呼吸に関するこれらの過程のどこかに異常があると、息苦しさが起こります。また、貧血や心理的なストレスなどで息苦しさを感じることもあります。
2.息切れが気になるとき
例えば、「坂道や階段で息が切れる」場合は、呼吸器の病気ではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など、心臓の病気では慢性心不全、ほかに貧血が原因となることもあります。COPDや慢性心不全は放っておくと徐々に進行する病気です。早めに医療機関を受診して原因を突き止め、適切な治療を受けてください。
「発作的な呼吸困難が起きる」場合には、呼吸器の病気ではぜんそく(気管支ぜんそく)、気胸、心臓の病気では心筋梗塞、不整脈などが疑われます。発作的な呼吸困難が起こった場合には、急いで医療機関を受診してください。特に心筋梗塞が疑われる場合には、すぐに救急車を呼んでください。
「かぜやインフルエンザで息も苦しい」という場合は、気付かないうちに肺炎を併発しているおそれがあります。ただし高齢者の場合は、「食欲がない」「ぐったりしている」「活動に乏しい」などが現れるだけで、典型的な症状が目立たないことがあります。周囲の人が気を配るようにしましょう。
ほかにも、不安や悩みが原因で息苦しさが起こることもあります。「心理的ストレスで呼吸が速くなる」という病気に過換気症候群があります。20歳前後の若い女性に多いといわれ、不安や悩みが強い状態で起こりやすく、息苦しさのほか、口や手足のしびれやこわばり、めまいや動悸が起こることもあります。
3.どこを受診する?
息苦しさがあってどこを受診したらよいかわからない場合、まずかかりつけ医に相談しましょう。また、長年喫煙しているなど呼吸器の病気が疑われる場合は呼吸器内科、心臓の病気が疑われる場合は循環器内科を受診しましょう。
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20130930-h-001.html