小中学校の道徳の教科化について、文部科学省は国語や算数と異なる「特別の教科」を新設し、実施する方針を固めた。
道徳は他教科で行われている数値評価などになじまないが、教育を充実させるには、教科化が必要と判断した。教科書については、教材会社による作成が通常3年程度かかることから、暫定的に同省作成の副読本「心のノート」を使う案が出ている。
17日に開かれる同省の有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」に示し、12月には報告書をまとめる。これに基づき、下村文科相が中央教育審議会に諮問する。学習指導要領の一部改定により、早ければ2015年度から実施する。
道徳は、学習指導要領で週1回の授業が義務づけられ、学級担任教諭らが「心のノート」などを使って実施している。しかし、教科としては位置づけられていないため、国語や算数の補習に充てられるなど「形骸化」が指摘されている。
教科は一般的に、〈1〉免許を持った専門の教員が〈2〉教科書を用いて指導し〈3〉数値などによる評価を行う――とされる。道徳の場合、数値評価などが難しいとされるため、特別の教科として扱い、充実を狙う。学習指導要領の趣旨を生かし、他教科で学ぶ内容を深める教科になるという。
道徳の教科化は、今年2月、政府の教育再生実行会議が、いじめ対策として提言していた。
◆心のノート=小学校低・中・高学年、中学生用の計4種類ある。イラストや詩なども掲載、公共心や友情の大切さなどを説く。同省によると、全小中学校の9割以上で使用されている。2002年に配布を開始。11年、民主党政権が中止したが、今年配布が再開された。現在、全面改訂が進められている。
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