新1年生向けの学習机商戦が始まっている。最近は「リビング学習」が注目を集め、小学校入学時に学習机を購入しない家庭も増えているが、来年4月の消費増税を控え、早めの購入の動きも出ている。リビングにも違和感なく置けるシンプルな学習机など長く使えるものが人気を集めている。(横山由紀子)
◆末永く使う
兵庫県西宮市のカリモク家具関西ショールーム。平日の午前中、「子供が幼稚園に行っている間に、まず親だけで確かめたい」と、主婦たちが学習机の見学に訪れた。今年度上半期(4~9月)の同ショールームの来場者は昨年同期に比べ、40%増加している。
ランドセルと違って入学時に学習机を購入するのは約6割という。ただ、同ショールーム館長の甲元正寿さんによると、「来春の消費増税の影響で、今年はお客さんの出足が早く、お盆にも多くの家族が見えました。入学時に買い控えていた方が、下のお子さんの入学に合わせ、きょうだいでそろえるなど上半期に多くの学習机が売れています」。
人気はやはり、リビング学習向きの奥行き60センチとスッキリした学習机。テーブルやソファ、テレビ台などリビングの家具となじむ、木の風合いを生かしたシンプルな作りだ。
来年、長男が小学校に入学予定という宝塚市の徳山章子さん(40)は「消費増税も気になりますが、やはり長く使えるものがいいですね。シンプルなデザインの机を探しています。大人になっても使ってほしいですね」と話す。
学習机の周辺家具もリビング仕様が人気だ。例えば、ランドセルや教科書、鍵盤ハーモニカといった学用品の収納ラック。「食卓などで学習することになっても、教科書の片付けや翌日の用意などの習慣を身に付けることができるラックは重宝するようです。ゆくゆくはパソコンや複合プリンターなどを置き、末永く使えます」と甲元さん。
◆成長に応じ調整
コイズミファニテック(大阪市西成区)でも、成長に合わせてデスクの天板が4段階に調節でき、リビングに置いても違和感のないシンプルでコンパクトなデザインの「リデアシリーズ」が人気だ。ベネッセ(岡山市)も通販サイトで、リビングに置いても違和感ないよう、前棚を外したデスクを提案する。
「『親力』で決まる!」(宝島社)などの著書がある元小学校教師で教育評論家、親野智可等(おやのちから)さんは、机を選ぶポイントとして、「成長に応じて大きさが調整でき、椅子は疲れない材質で姿勢が悪くならないものを選んでほしい」とアドバイス。そのうえで、「入学と同時に学習机を持つことは、自分専用の場所ができてモチベーションアップにつながる。低学年のうちは親が近くにいて安心感を与えてあげられるリビング学習もいい。ただ、高学年になったら専用の学習机を与え、自立した成長へつなげてほしい」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131016/trd13101608390002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131016/trd13101608390002-n2.htm