調理8分でOK 専門店の味再現
忙しい主婦や共働き世帯などを主なターゲットに「時短調理」が可能なカレー用調味料が登場している。フライパンひとつで手軽に調理できるのが特徴だ。(安済卓也)
レトルトに抵抗感
カレーは家庭料理の定番メニューだが、家庭での調理機会は近年減少している。富士経済の調査では、2013年のカレー用調味料の販売量は、04年の92・4%にとどまると予測する。
江崎グリコが11年7月に行ったインターネット調査では、カレー調理時の不満点として、「洗い物の汚れが取れにくい」「多く作りすぎてしまう」「調理に時間がかかる」などが上位に挙がった。こうした不満がカレーを調理する機会の減少につながっているようだ。とはいえ、温めるだけのレトルトカレーでの代用は、「家族で囲む食卓に手作りの料理を出したいと考える主婦には抵抗感があるようだ」(食品メーカー広報)とされる。
そこで、メーカー各社はこうした不満を解消してカレーを作ってもらおうと、フライパンひとつで調理できて、煮込み時間も大幅に短縮したカレー用調味料を相次いで発売している。
食材少なくても
江崎グリコが8月に発売した「香味カリー ビーフカリーの素もと・中辛」は、フライパンで牛肉とタマネギをいため始めてから10分でビーフカレーができあがる。油脂の使用が少ないパウダータイプで、香り高いスパイスの風味が楽しめるという。
ハインツ日本が9月に発売した「カレーソース」の煮込み時間は3分だ。ソースにはあらかじめジャガイモとニンジンを入れて煮込んであるため、肉とタマネギを加えるだけで完成する。中辛のほか、小さな子供のいる家庭向けに甘口も用意した。
中村屋が2月に発売した「フライパンで作るインドカリーの素 ビーフカリー用」も、牛肉とタマネギをいためてからソースを加え、一煮立ちしたら完成だ。調理時間は合計で8分だ。
専門店で人気のカレーメニューもフライパンひとつで簡単に作れる。
ハウス食品が8月に発売した「炒いためて香るカリーソース チキンマサラカリーの素」は、鶏肉を焼いたフライパンにそのまま注いで一煮立ちさせるだけでチキンマサラカレーができあがる。
エスビー食品の「フライパンキッチン キーマカレー」(2月発売)は、ひき肉とタマネギだけ用意すれば、「煮込み用」と「仕上げ用」の2種類のペーストを使って、本格的な味わいのキーマカレーが作れる。
ピザやラザニアも
カレー以外のメニューもフライパンひとつで調理できる。
日本製粉が8月に発売した「オーマイ ピザミックス」(179円=2枚分)は、手軽にピザが作れるピザ生地の粉だ。イースト菌による発酵を必要としないため、粉をこねて焼くまで20分で済む。
日本ハムが9月に発売した「私の☆☆☆レストラン ミートソースのラザニア」(430円=2人前)=写真=もナスがあれば5分でラザニアが食べられる。パスタはナスをいためたフライパンに水を加えてゆでるため、別の鍋を必要としない。
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