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ネイルケアで生き生き

サロンの利用者増える

川嶋さんは、「ネイルカラーには、肌になじむ落ち着いた色を選びましょう」と話す(京王百貨店新宿店で)=横山就平撮影

高齢になると、爪は乾燥して割れやすくなる。保湿などのケアを心がけ、おしゃれに挑戦してみてはいかが。気持ちも明るくなるという。

若い女性が行くものと思われがちなネイルサロンに、シニア女性の利用者が増えている。

東京・新宿の京王百貨店にあるネイルサロン「ネイルズユニーク・アルティミッド」もその一つ。爪のケアが目的の人が多いという。ヤスリで爪の形を整え、ローションで手や指先、爪の保湿をする。不要な甘皮や角質を取り、必要に応じて表面を磨き、表面を保護するベースコートを塗る。約30分で、3150円。

定期的に通っているという60歳代の女性は、「手入れを続けて爪がキレイになったと思う。気持ちも前向きになる」と笑顔を見せる。「手入れをしてベースコートを塗るだけでも、爪がつややかに見えます」と店長の川嶋春香さん。

ネイルカラーも楽しむなら、シニア世代の場合、肌の色になじむベージュや、血色をよく見せる透明なオレンジ色などが、指が長く見えてお薦めだという。

爪のケアは家庭でもできる。

住吉皮膚科(東京)の院長、住吉孝二さんによると、高齢になると乾燥して爪が割れやすくなるため、爪切りを使うなら入浴後の爪が軟らかい状態で切るか、爪用のヤスリで形を整えるようにする。クリームなどで爪や周りの皮膚を保湿することも大切だ。割れるのを防ぐため、ベースコートを塗ってもいい。

シニア世代には注意すべき点もある。

縦に筋が入った爪の表面を平らにするための爪磨きは、「やり過ぎると表面に微細な傷ができたり、爪が薄くなったりするので注意が必要」と住吉さんは指摘する。また、横に筋が入って凹凸ができた場合は、「加齢とは関係なく、爪の根元が炎症を起こしている可能性がある。ネイルカラーの使用を中止し、気になる場合は皮膚科の受診を」と話す。ハサミなどを使う甘皮処理も傷を作る心配があるため、家庭では行わない方がいい。

また、爪の負担になるのが、ネイルカラーを落とす除光液だ。有機溶剤のアセトンなどによって水分や脂分が奪われ、爪が乾燥してしまう。ネイルカラーを塗り直す頻度は減らすようにしたい。

要介護の高齢者で、自分ではケアができない場合は、同じことを家族がしてあげるといい。

長年、ボランティアで高齢者施設でのネイルケアを行ってきた「ヒサコネイル」(大阪市)代表の山崎比紗子さんは、「ネイルケアは、高齢者を元気にします」と話す。

向かい合って座り、おしゃべりをしながらケアをする。ネイルカラーを塗り終わると、お年寄りの表情がパッと明るくなり、自分の手を見つめて笑顔を見せるという。

「家庭でも家族が高齢者にネイルケアをしてみてください。スキンシップやコミュニケーションのいい機会になると思います」と勧める。

家庭での爪の手入れ

〉入浴後に爪の長さや形を爪用のヤスリで整える

〉湿らせたガーゼを巻いた親指の爪先で、反対側の指の爪の甘皮を押し上げるようにして古い角質を取り除く

〉甘皮、爪の両側の部分に、爪用オイルやクリームを塗り込んで保湿する。指先をもむようにすると、血行促進につながる

〉爪に残ったオイルをふき取りベースコートを塗る

〉ネイルカラーをつける場合は、ベースコートの上に2度塗りして、トップコートを塗る。いずれも爪の先端の少し裏側まで塗るとはがれにくい

〉ネイルカラーを落とすとき、除光液はアセトンの入っていないものを選ぶ。コットンにしみ込ませ、皮膚に付かないよう注意して、ふき取る

(山崎さんの話を基に作成)

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=86200

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