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自分の健康を知る方法(2)脈で体質を知る

診療所や病院では、よく血圧を測ります。最近では、自動血圧計になっている施設が多いので、直接、脈を触れて脈拍数を測ることは少なくなっていると思います。

わたしも水銀式血圧計をつかっていた頃は、患者さんの腕にマンシェットを巻き、聴診器で動脈の拍動を聞きながら血圧を測定していました。と同時に、脈拍数も、手首にある橈骨(とうこつ)動脈(親指側にある動脈)の拍動を触れながら1分間の脈拍数を数えていました。

医学が進歩して、血液検査や画像診断(超音波検査、CT検査など)でいろいろなことがわかるようになると、医師や看護師が直接、患者さんの体に触れる機会が減ってきました。ときには、電子カルテの画面ばかりを見て、患者さんの顔すら見ない場合もあると聞いています。なんだか寂しさを感じますね。

さて、話がそれてしまいましたが、今回の「自分の健康を知る方法」は、脈で自分の体質を見分ける方法です。

体質は一人ひとり違います。たとえば、風邪をよく引く人、すぐにおなかをこわす人など、どちらかというと病気になりやすい体質の人がいます。一方で、夏ばてをしない人、重労働に耐えられる人など、病気にかかりにくい体質の人もいます。

自分の体質を知ることで、日頃の生活の仕方が変わってきます。風邪の季節には、早めに予防を心がけるようになったり、夏に冷たいものを飲み過ぎないように注意したり、などです。

漢方医学では、このことを「虚実きょじつ」という言葉で表現します。病気になりやすい体質の人には、漢方医学で「虚」と診断される人が多く、なりにくい体質の人は、「実」の人が多いようです。

では、自分の脈を診てみましょう。手首の親指側に拍動する動脈が触れるはずです。このときに、脈を診るコツは、

 

(1)深呼吸をして気持ちを落ち着けてからおこなう

(2)ゆっくり時間をかけて脈にふれる

 

――のふたつです。どうしても自分の脈が見つからない人は、3本の指でさがすといいでしょ う。

なかなか脈が見つからない人は、漢方医学では「虚の脈」と診断します。「虚の脈」の人は、動脈の血管が触れにくく、強く押さえると脈が消えてしまいます。それはまるで水に浮いている葉を上から触れているように、少し力を加えてしまうとなくなってしまう感じです。

すぐに脈が見つかる人は、「実の脈」と診断します。動脈の血管の輪郭がはっきりとわかり、強く押さえても脈が消えることがなく、逆に押し戻されてしまいます。それは、ゴム風船のように弾力があり力強く感じられます。

なかなか脈が見つからない人は、漢方医学では「虚の脈」と診断します。「虚の脈」の人は、動脈の血管が触れにくく、強く押さえると脈が消えてしまいます。それはまるで水に浮いている葉を上から触れているように、少し力を加えてしまうとなくなってしまう感じです。

すぐに脈が見つかる人は、「実の脈」と診断します。動脈の血管の輪郭がはっきりとわかり、強く押さえても脈が消えることがなく、逆に押し戻されてしまいます。それは、ゴム風船のように弾力があり力強く感じられます。

 

血管の特徴

脈の特徴
虚の脈

血管の存在がはっきりせず、血管の壁が薄く感じられる。弾力がなく、静脈のような硬さを感じる場合も。

力のない脈。つよく押さえると脈が消えてしまう。

実の脈

はっきりと血管の輪郭がわかり、血管の壁も厚く感じられる。弾力がある。

力のある脈。つよく押さえても消えない。

 

脈を診ることで、自分の体質を知り、日頃から体調管理をすることをおすすめします。「風邪は万病の元」と言います。「虚の脈」の方は特に、これからの季節、風邪を引かないように健康管理することが大切です。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=86215

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