2009(平成21)年度の「子ども生活実態基本調査報告書」によれば、中学生になると家で勉強しなくなる生徒が増加するようだ。授業の内容が難しくなり家で勉強する気が起きない、部活動中心の生活になる、などの要因が考えられる。勉強についていくためにも不可欠な、家庭での学習時間をどのように確保すればよいか? ベネッセ教育総合研究所発行 「VIEW21」編集長の小泉和義氏に話を聞いた。
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小学校と中学校での大きな違いの一つは、「定期テスト」の有無です。3学期制の学校では、1・2学期に「中間テスト」「期末テスト」を、3学期に学年末テストを実施し、また、2学期制の場合は、前期に2回、後期に2回の定期テストを実施するケースが一般的です。最近では、各教科で一つの単元が終了するごとに「単元テスト」を実施する学校も増えています。
ある中学校の先生は次のように話します。「生徒はテストを目標に勉強をします。学期に2回の定期テストだけでなく、単元ごとにテストを実施すると、テスト範囲も狭く目標を立てやすくなるので、生徒が何を勉強すればよいのかが明確になり、学びに向かいやすくなります」。
学びに向かわせる工夫として、テストの出題範囲を示すとともに、「学習計画表」に毎日どの内容をどのくらい学習するのかスケジュールを立てさせ、実行できたかどうかを毎日担任がチェックするという取り組みをしている学校もあります。
また、「一人になると勉強する気にならない」という生徒のために、「午後8時になったら、みんなで一斉に勉強しよう。先生も午後8時から10時まで電話を持って待機しているよ」と、別の空間でも、先生やクラスメートが一緒に勉強するイメージで、机に向かわせる取り組みもあります。
定期テストは、短いスパンで目標をたて、計画、実行するよい機会です。子どもが勉強している同じ時間に保護者も読書をするなど、勉強の「時間」を共有してみてはどうでしょう。子どもも「一人じゃない」と感じて、勉強に向かいやすくなるかもしれません。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/education/benesse-9832.html