[ カテゴリー:医療, 生活 ]

「生活習慣病改善指導士」の役割 科学的知識に基づく指導期待

生活習慣病やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の人に改善指導を行う生活習慣病改善指導士という資格が創設され、第2回認定試験が今月、行われる。看護師、管理栄養士ら医療関係従事者が対象。メタボとのかかわりを盛り込んだ特定健診・保健指導が今年2期目に入る中、新資格を持った医療従事者らの役割に期待が集まっている。(大家俊夫)

◆専門医と協力

日本肥満学会・認定制度委員会の委員長を務める宮崎滋・新山手病院生活習慣病センター長は指導士の役割について、「肥満症専門医だけでは『肥満症』という問題は解決できない。専門医と協力し、チームとして患者によりきめ細かい指導をしていく」ことを挙げる。

求められている知識は高度なものだ。それは、肥満は単に太っているという状況にとどまらず、内臓脂肪の蓄積が糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病につながることが研究で判明し、科学的な側面からの治療や指導をする時代に入っているからだ。

このため、生活習慣病改善指導士にもそうした科学的知見が求められている。(1)肥満と糖尿病、高血圧との関係を理解し、説明する(2)食生活、身体活動、喫煙、飲酒について科学的根拠に基づいて指導する-ことが大切と指摘するのは、認定試験委員会委員長の津下一代・あいち健康の森・健康科学総合センター長だ。

◆数値を示し説明

内臓脂肪100平方センチに相当する数値として腹囲基準(男性85センチ、女性90センチ)などを盛り込んだメタボの診断基準は内科系8学会が公表。その概念が特定健診・保健指導に取り入れられ、第1期(平成20~24年)が終了した。その結果に関して津下氏が実施した厚生労働科学研究では「腹囲が2、3センチ減っただけで、多くの患者で脂質異常症や高血圧症の危険因子が改善された」とのデータが得られた。

ただ、「野菜を多く食べるとか、脂っこいものを減らす、運動をした方がいいという一般論は知っていても、具体策を知らず迷っている肥満の人も少なくない」(津下氏)のが現状。このため、指導士には「メタボが改善できない人には何が影響しているのか、住んでいる地域の特性はあるのかなども分析し、数値を示して説明する能力」(同氏)も重要になってくる。

生活習慣病改善指導士は肥満学会の認定制度。昨年は28人が認定され、第2回試験は同学会の最終日の12日に実施される。対象の職種は高度肥満を対象とする看護師、臨床心理士、肥満症予防を担当する保健師、管理栄養士、健康運動指導士と多岐にわたり、活躍する施設は肥満症専門病院、診療所などが想定される。

宮崎氏は「新しい資格があれば、それに向けて努力できる。合格した人はそれを武器に自信をもって指導できる」と、指導士の広がりに期待を寄せている。

■3年以上指導の医療関係従事者が対象

生活習慣病改善指導士は肥満や肥満関連疾患についての「専門的修練を積んだ」医療関係従事者が対象だ。受験には3年以上の指導経験のほか、肥満学会主催のセミナーや講演会を一定数以上受講することが必須。また、受験者が担当した肥満症・メタボの指導事例の記録審査がある。筆記試験とともに合否の判断材料となる。

糖尿病治療の分野でも、患者の自己管理などを指導する日本糖尿病療養指導士の認定制度がある。平成13年に第1回の試験が行われ、現在までに1万7000人以上が資格を取得し、全国の医療施設で活躍中。

このほか、糖尿病患者や高齢者の足病変の予防・ケアの専門家として日本フットケア学会がフットケア指導士の資格認定を行っている。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20131009510.html

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