古着まとめて1万円…生活防衛ママ注目の「ネットオークション」
消費税率アップも決定。生活防衛意識が高まるなか、不要品処理と小遣い稼ぎの場としてネットオークションを活用する主婦が増加中だ。特に目立っているのが小さな子供を持つ母親層。すぐに着られなくなってしまう子供服を中心に、最近は壊れた家電やアイスの棒などなど…思いもよらぬ家庭ゴミ?まで取引されている。スマートフォン(スマホ)の普及で出品のハードルが下がり、ママ向けの初心者講座も開催されている。(重松明子、写真も)
「ママ友がどんどん始めている」「消費税も上がることだし、ちょこちょこ小金をためておきたい」。東京・渋谷の親子カフェ「ボヌールドサクラ」で2日に開かれたネットオークション講座。幼児連れの20~30代前半のママ5人が出品する古着持参で集まっていた。
4人が初心者。唯一の経験者が「古着をまとめて出品して1万円ほどで売れた」と話すと、参加者の瞳がキラリと輝いた。
講座を企画したカフェ代表でオヤコライフクリエイターの石井櫻子さんも、3歳と6歳の子の母親だ。「子供がいる家庭は不要な服や小物であふれている。これらのリユースに向いているのが、スマホの普及で手軽になったネットオークションです。子供が寝ている時間などを使い、家にいながら取引できる。入札で価格が決まるゲーム感覚の面白さもあり、他のママたちと一緒にやれば子育て中の孤独感もやわらぐ」と語った。
ネットオークションに詳しいカメラマンの吉田圭さん(33)が、出品写真の撮り方や商品説明の書き方のコツを手ほどき。「服のブランドタグを撮影することで信用度がアップ。また、ほつれ具合などマイナス情報も正直に見せましょう。商品状態は自己評価よりも一段低く申告した方が、自分の評価が上がります」と吉田さん。取引後に公開される落札者からの評価が今後の取引の信頼度に直結するだけに、「買ってくれる相手に喜んでもらえることを考えて」。
検索でヒットしやすいキーワードを盛り込んだ商品情報を作成し、実際にオークションサイトに出品。1時間ほどの作業に、「思っていたよりも簡単」「楽しかった」「これからドンドンやっていきたい」との声が上がった。講座は11月27日までの水曜、参加費500円(茶菓子付き)で開催される。
「楽天オークション」「モバオク」「ヤフオク!」が3大手。なかでも平成11年に日本初のネットオークションサイトとして開設されたヤフオク!は国内シェアの約9割を占める。今年6月時点でプレミアム会員931万人、出品数2743万点と過去最高を記録。特にスマホからアクセスする女性ユーザーが急増しており、昨年末から前年比1・5~2・3倍ペースで推移している。母親層の参入を裏付けるように子供服のカテゴリーが活況だ。
セリーヌなど海外高級ブランドの子供服にエルメスの革手袋などを付けた計50点の詰め合わせが63万円、ハロウィン用手作り衣装が40万円で落札されるなど高額取引の一方、激安のファストファッション、オーガニック素材も人気を集め、「商品、売り方、金銭感覚が多様化している」と広報担当の諫山明日香さん。「当初はプレミアの付くようなアンティーク品の人気が高かったが、今では壊れたCDプレーヤーなど家庭ゴミのようなものも出品・落札されている。『部品が欲しい』など目的も人それぞれ。アイスを食べた後の棒の束が工作素材として落札されたこともある。見方を変えれば不要品にも価値が出る。それらを何でも売れることが、ネットオークションの強みですね」
母の才覚で、思わぬものが家計を助けてくれるかも!?
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20131008502.html