健康な骨や歯などを維持するには、「カルシウム」の摂取が不可欠だ。最近は、カルシウムを豊富に含み、手軽に摂取できる食品が発売されている。
■足りない摂取量
カルシウムが不足すると、骨の内部がスカスカになって骨折しやすくなる骨粗しょう症のリスクが高まる。女性は、加齢により女性ホルモンが減少するとなりやすい。
また、カルシウムは筋肉の収縮やホルモンの分泌などにも関わっており、健康な体を維持する上でなくてはならない栄養素だ。
厚生労働省が推奨する1人一日のカルシウム摂取量は、18歳以上で年齢に応じて600ミリ・グラム~800ミリ・グラム。しかし、同省の調査(2011年)では、20歳以上の平均で494ミリ・グラムと足りていないのが現状だ。
医学博士で管理栄養士の本多京子さんは、「骨の健康には、カルシウムだけではなく、その吸収を助けるビタミンDやたんぱく質、マグネシウムなども大切。カルシウムは一日の必要量の半分ほどを牛乳やヨーグルトといった乳製品からとり、残りは青菜、大豆製品、海藻、ごまなどの食品でとるようにすれば、カロリーが抑えられ栄養バランスもよくなる」と話す。
■新商品、続々
ダノンジャパンが3月に発売した「ダノン デンシア ドリンクタイプ」は、一日に必要なカルシウム量の約半分(350ミリ・グラム)と、一日分のビタミンD(5マイクロ・グラム)を摂取できる乳酸菌飲料だ。主な購入者は中高年の女性だが、30代、40代でも買い求める人が増えているという。
育児用品メーカーのピジョンが、妊娠中と妊娠が予定される女性を対象に調査したところ、サプリメントでとりたい栄養素として、1位は胎児の体の発育を促すビタミンの一つ「葉酸」、次いで「鉄」、「カルシウム」の順であげられた。そこで、8月に栄養補助食品「かんでおいしい葉酸タブレット カルシウムプラス」を発売した。一日の目安量2粒で葉酸400マイクロ・グラム、鉄分10ミリ・グラム、カルシウム155ミリ・グラムが同時にとれるという。
カゴメが9月に発売した「Soy’s(ソイズ) 黒ごまきなこブレンド」は大豆に、リンゴとニンジンの自然な甘さを加えた飲料だ。黒ごまときな粉が入っており、カルシウム42ミリ・グラムとたんぱく質4・2グラムが補給できる。
ハナマルキが9月に発売した「煮干のおだしのおみそ汁」はカルシウムを豊富に含むイワシの煮干し粉末からだしを取った即席みそ汁だ。具材にはカルシウムも含む大根の葉を使用。気になる塩分は、通常の即席みそ汁が2グラムほどだが1・5グラムに抑えているという。(中西美沙子)
■骨の代謝 運動で向上
健康な骨の維持には、食品の他に運動も大切だ。
全国に1300教室ある女性専用のフィットネスクラブ「カーブス」では、運動によって骨に適度の負荷をかけ、骨の代謝を高めることを推奨している。
【太ももを鍛える運動】
〈1〉肩幅より少し広く足を開き、つま先を外側に向けて立つ。両腕は横に伸ばし、肩の高さに保つ。
〈2〉息を吸いながら5秒かけてゆっくりしゃがむ。
〈3〉息を吐きながら、5秒かけてゆっくり立ち上がる。〈1〉~〈3〉を10回繰り返す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131007-00010000-yomidr-hlth