[ カテゴリー:生活, 社会 ]

「難聴でも補聴器使用は15%以下」の衝撃…使いやすさ、おしゃれさ、動くメーカー

国内で難聴に悩む人は約1300万人、その数は高齢化に伴い年々増えているという。低下した聴力を補ってくれるのが「補聴器」だが、最近の調査で、難聴でも補聴器を使っている人が15%にも達していないという結果が明らかになった。難聴は聞こえにくいだけでなく、コミュニケーションが取りにくくなるため生活の質を劣化させる。そこで補聴器を使ってもらおうと、従来にないカラフルでアクセサリーのような補聴器や、他人の声を録音できる機能などのついた高性能タイプも登場。メーカー側も知恵を絞っている。(袖中陽一)

■わずらわしい、恥ずかしい、使っても…

難聴は、加齢などによって音を感じる細胞の数が少なくなるなどの理由で音が聞こえにくくなる。ところが、視力の低下などに比べると日常生活への影響も小さく、また、軽度の場合、自覚がないため気がつきにくく、知らない間に周囲から孤立してしまう恐れもある。

日本補聴器工業会(東京都千代田区)が中心になり、補聴器使用の現状を知るために、昨年、国内で1万5036人を対象に調査が行われた。

難聴者の割合は、10・9%。これまでに行った欧米諸国と変わらなかったが、難聴者のうち補聴器を使っているのは、日本では14・1%。イギリス41・1%、アメリカ24・6%などを大きく下回り、普及が進んでいない実態が明らかになった。また、補聴器を使っている人に満足度を尋ねたところ、フランスでは80%、ドイツでは77%など、調査した先進7カ国すべてで70%以上が「満足」と答えているのに対して、今回の調査で日本ではわずか36%にとどまっていた。

重度の難聴の人でも補聴器を使わない人に理由を聞いたところ、「わずらわしい」「補聴器を使っても元の聴力に戻らない」「装着が恥ずかしい」などが上位に入った。

同会の八嶋隆事務局長は「日本では難聴をみっともないと感じ、補聴器を付けるのを恥ずかしいと感じる傾向がある。しかし、欧米では、難聴に対応しないことは逆にだらしないと考える傾向がある」と分析している。

■少しでも補聴器を身近に

補聴器を敬遠する人たちに少しでも補聴器を身近にと、メーカーも工夫を重ねている。

パナソニック補聴器(横浜市)が昨年春に発売した補聴器「花聴風月」は、黒地に桜の花びらがデザインされたみやびな漆塗り調。キャッチコピーは「見せたくなる美しさ」。発売後、「和服に合わせたい」などと女性が購入するケースが多く、販売は好調という。別売りのリモコンを使うと、携帯電話やテレビの音を耳元で聞けたり、「ボイスメモ」機能を使って2分40秒の用件を5件録音することが可能。薬の服用方法や人との約束、道案内などを記録する使い方を想定しているという。

また、「シーメンス・ヒヤリング・インスツルメンツ」(神奈川県相模原市)が販売する「インシオ・マイコン」シリーズは、耳穴に収まる形で、青やピンクなど鮮やかな36のカラーパターンを用意、付けて楽しむ補聴器を提案している。

■生活の質向上のためにも

今回の日本補聴器工業会などが行った調査では、耳が聞こえることと鬱傾向の関係性を示すデータも得られた。重度の難聴だと答えた人に鬱傾向があるか尋ねたところ、補聴器を使っていない人の27%に鬱傾向がみられたのに対して、使用している人は14%にとどまっていた。同会では、「聞こえないことが鬱傾向につながるなどの可能性が示唆されている。補聴器を使って耳が聞こえる状態を保つことはQOL(生活の質)の向上にもつながる」と話す。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20131006520.html

Facebook にシェア
[`tweetmeme` not found]

コメントする

Facebook にシェア
[`tweetmeme` not found]

団体理念  │  活動展開  │  団体構成  │  定款  │  プライバシーの考え方  │  セキュリティについて  │  事業  │  メディア掲載  │  関連サイト  │  お問い合わせ

copyright © JMJP HOT TOWN Infomaition Inc. All Rights Reserved.   NPO法人 住民安全ネットワークジャパン

〒940-0082 新潟県長岡市千歳1-3-85 長岡防災シビックコア内 ながおか市民防災センター2F TEL:0258-39-1656 FAX:020-4662-2013 Email:info@jmjp.jp