日々の食事や運動、健康状態、家計の状況などをデジタル機器を使って記録する「ログ活(ログ活動)」が注目を集めている。蓄積した記録を基に将来の目標を立てたり、インターネットを介して成果を競ったりできる点が人気のようだ。
「ログ」は、英語で「記録」。日々の生活を記録するので「ライフログ」とも呼ばれる。
東京都内に住む、ライターの立花岳志さん(44)は、スマートフォンやパソコンを活用して「ログ活」をしている。ランニングの距離や経路をスマホのアプリに記録したり、その日の行動をパソコンの時間管理ソフトに残したり。睡眠時間を計測し、インターネット上に記録を転送できるリストバンドも使っている。
スマホなら片手でいつでも記録でき、計算やグラフ作成などもアプリで手軽にできる。「ログ活に使えるサービスは無料で利用できるものが多い。生活状況が客観的に把握でき、行動の目標を立てやすい。過去の記録の検索もデジタルだと簡単」と立花さん。時間管理ソフトで毎日の行動パターンを見直すうちに、時間の無駄遣いも減ったという。
こうしたログ活は、携帯電話などのデジタル機器を活用することで人気が広がった。記録を簡単に整理したり分析したりできる上、インターネットを介して記録に応じた適切なアドバイスを得られたり、他人とランニングの距離を競ったりでき、飽きずに記録をつけ続けやすい。
健康管理は、ログ活が盛んな分野だ。市販の体重計や血圧計などで測定した記録を自動でスマホやパソコンに読み込み、専用のインターネットサイトなどに記録を蓄積するサービスもある。
NTTドコモと、健康機器メーカーのオムロンヘルスケアとの合弁会社「ドコモ・ヘルスケア」が4月に始めたインターネットサービス「わたしムーヴ」はその一つだ。女性が基礎体温を記録すると生理周期を推測し、「気分が不安定になりがち。アロマバスを楽しんで」などと体調管理について助言してくれる機能などがある。登録は無料だが一部サービスは有料。
健康機器メーカー、タニタの子会社「タニタヘルスリンク」は、体組成計や歩数計の計測値を基に健康状態をホームページ上で分析してくれる「からだカルテ」を提供。歩数計の記録から距離を計算して利用者と順位を競ったり、歩行距離を地図上に表示して旅行になぞらえたりできる。利用料は月額580円から。
デジタル機器を活用したログ活は家計管理にも役立つ。手計算が面倒で続けづらい家計簿記録を助けるアプリもある。大日本印刷が提供する無料アプリ「レシーピ!」は、スマホのカメラでレシートを撮影すると、金額や品目を読み取り、自動入力できる機能が人気だ。貯金目標額も設定でき、「夢は大きく、支出は小さく」など、家計の状況に応じたアドバイスも出る。
ただし、利用には注意も必要。記録した個人情報がインターネットを通じて漏れる恐れもあるからだ。個人情報がどのように使われるか利用規約をよく読み、信頼できるサービスを慎重に選びたい。
サービスの終了で記録が見られなくなってしまう事態も起こりうる。大切だと思うデータはパソコンなどに保存しておきたい。
仕事術に関する著書が多い佐々木正悟さんは、「生活の記録を取り続けると、その実態を数値やグラフとして可視化できる。そうした面倒な作業はデジタル機器の得意な分野。ログ活には自分の行動の癖など気づかなかった一面を知る面白さがある」と話す。(上原三和)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131005-00010000-yomidr-hlth
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