今年は竜巻やゲリラ豪雨など、思いもかけない自然災害で家屋などに損害を受けた家庭も多かったのではないでしょうか。
災害で住宅や家財に損害を受けたら、被害状況を証明するものや被害関連で使ったお金の領収書などをしっかりと取っておいて確定申告すれば、税金が戻ってくる可能性があります。年末調整されないので確定申告が必要です。
災害で税金が安くなるものには、雑損控除と災害減免法による所得税の軽減免除があります。
雑損控除は、震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象による異変の損失に対応するだけでなく、火災、火薬類の爆発などの人的災害、害虫被害、盗難、横領なども対象となります。生活に必要な住宅や家具、衣類などが対象で、事業用の資産や別荘は対象外です。
この控除は納税者本人だけでなく、生計をともにする配偶者や親族が所有する家財などの損害にも適用されます。例えば、収入のない祖父母が所有する家が被害に遭った場合、祖父母は税金を払っていないため、確定申告をしても還付されません。しかし、一緒に住む収入がある息子が確定申告すれば税金が戻ってくる可能性があります。ただし、被害に遭って保険金などがおりる場合には、その額を差し引いたものが対象額となります。
盗難や横領も対象ですが、「振り込め詐欺」や「リフォーム詐欺」など詐欺により生じた損失は対象外。国税庁によると、盗難や横領は「自分があずかり知らぬところで起きる」が、詐欺は「本人が実際に関わってお金を動かす」ため、意思が働いていると見なされるので駄目なのだそうです。
ちなみに、損失額が大きく、その年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。
災害減免法による所得税の軽減免除は、損失が住宅や家財の時価の半分以上にあたるなど、一定の条件をクリアすれば適用されます。雑損控除は、「損失額が総所得の10%を超えていないと対象にならない」などの条件がありますが、災害減免法による所得税の軽減免除には、こうした条件がないという有利な面も。ただ、この2つは併用できないので、確定申告のとき、どちらを利用したら、より多く税金が戻ってくるのか税務署で計算してもらうといいでしょう。(経済ジャーナリスト)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130923/trd13092308120003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130923/trd13092308120003-n2.htm