事実上解禁となっている一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売で、厚生労働省の作業グループは20日、安全確保の新ルールを大筋で合意した。副作用リスクの高い第1類で、販売者記録の保存を義務付けたほか、購入者の連絡先の記録作成、保存を努力義務とした。厚労省は今後、最終的な報告書の取りまとめを待って、薬事法や関連省令の改正作業を進める。
新ルールは、ネットのみによる販売は認めず、原則として、週30時間以上をめどに営業する「実店舗」を持つことを条件とすると明記。販売サイト上には許可証のほか店舗の外観写真などを載せ、購入者の相談に当たる薬剤師ら専門家の勤務状況をリアルタイムで表示することとした。
また、購入者の希望に応じ、メールのほか、電話で相談に対応できる環境を整備することでも合意した。
第1類のネット販売では、購入者に対する(1)症状、持病の有無などの確認(2)服用上の注意点などの情報提供(3)提供した情報を理解したかの確認-を義務化。誰がいつ、何を販売したかの記録の保存、購入者が服用上の注意点について説明を受けたことなどを確認できる書類の作成も義務とした。
一方、薬剤師ら専門家が購入者と適切なやりとりをしているかどうか、行政が監視する仕組みの在り方をめぐっては、ネット業者側と薬剤師側の意見が対立。当初はテレビ電話の設置を義務付ける案も提示されたが、最終的には「テレビ電話の設置などで確実に監視できる態勢を整備すること」で大筋合意した。
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【用語解説】一般用医薬品(大衆薬)
医師の処方箋がなくても購入できる一般用の薬。改正薬事法は副作用リスクの高い順に3つに分類しており、このうち、特にリスクが高い「第1類」と比較的リスクが高い「第2類」はインターネットや電話による通信販売が禁止されてきた。しかし、今年1月の最高裁判決でネット販売を禁じた厚労省令は「違法」とされ、現行規制は無効となった。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130920/bdy13092022030008-n1.htm
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