「昨日のほうれん草のソテーがまだ残っているけど食べる?」
「栄養満点だからいただくわ」と喜ぶ日本人。
「俺を殺す気か?」と怒りだすドイツ人。
実は食文化の違いでは済まされない危険が「ほうれん草」にはあったのです。
●ほうれん草が原因で乳幼児が多数死亡
60年代、ドイツで次々と乳幼児が救急病院に運ばれました。「ブルーベイビー」と診断された乳幼児の主な症状は青い肌・呼吸困難・チョコレート色の血液。母親が前日のベビーフードのほうれん草を暖め直して赤ちゃんに食べさせたことが原因でした。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/pdf/121107_nitrate.pdf
●ほうれん草が毒に変わるとき
ほうれん草や他の野菜には「硝酸塩」が含まれています。ほとんどの野菜に含まれる硝酸塩は無害ですが、体内や腸で「亜硝酸塩」という有毒物質に変化します。
独テレビ局WDRの番組“Quarks & Co.“の実験結果によると、加熱したほうれん草を2つにわけて、1つは22度の室内温度、もう1つは4度で保存しました。
24時間後に計った亜硝酸塩の量は、両方とも致死量に及ばない10ミリグラム。48時間後には室内温度で保管したほうれん草の亜硝酸塩の量が著しく増え、0.4グラムと乳幼児を死に至らせるのに十分な量が確認されました。
ドイツ人は子供の頃からこの事実を叩き込まれて育ったのか、理由は知らなくても「ほうれん草は食べ残したら捨てる」と主張します。
WDR局は「口や腸の中で硝酸塩が毒素に変わるため、乳幼児には決してほうれん草を与えないこと」「大人でも調理したら、すぐに熱を冷まして冷蔵庫へ。2日以上経過したら捨てるべし」と消費者に呼びかけています。
※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。
参考: Ist aufgewarmter Spinat wirklich giftig?
http://www.wdr.de/tv/quarks/sendungsbeitraege/2008/1209/001_ernaehrung.jsp
http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/mynaviwomen-711271.html