お釣りのチェック、衛生面も サルモネラ菌やコカイン、お金に付着
マネーロンダリングが必要なのは「汚いお金」だが、衛生面からみてもお金はきれいなものではないらしい。額に汗して得たまっとうな労働の報酬でも、実際に手にする紙幣や硬貨といった現金は、雑菌の温床であり、かなり汚い存在のようだ。
先頃、香港城市大学の細菌学研究センターがアジアで流通する紙幣について、細菌の付着具合を調査したところ、最も汚かったのが中国の人民元紙幣だった。同調査によると、中国で使われている紙幣には大腸菌やサルモネラ菌など、人体に有害な細菌が1枚につき約18万個も付着していたという。特に1元(約15円)紙幣や、束ねて1元として使われる1角(約1円50銭)紙幣など、使用頻度の高い紙幣の汚れ具合は深刻で、なかには1枚で約180万個の細菌が付着しているものもあった。中国政府も、中国人民銀行に紙幣処理センターを設置し、紙幣の消臭や殺菌を定期的に実施するなど対応に躍起になっているが、いまのところその努力は実を結んでいないようだ。
日本も他人ごとではない。各種工業製品や環境の汚染微生物に関する調査・研究を行う衛生微生物研究センター(東京都葛飾区)が、去る6月に発表した「現金の清潔度調査」によると、日本のお金も清潔とは言い難いようだ。同調査で対象となったのは、1,000円紙幣、100円、50円、10円硬貨の各10枚。今年5月に調査員が、東京23区内の飲食、物販店舗で買物や食事をして受取った釣り銭だった。結果は、硬貨への付着は微量だったが、紙幣には1枚あたり、食中毒の原因となるセレウス菌を含め62から440個の細菌が確認された。
一方、アメリカやカナダで使われる紙幣からは、コカインが検出された。同調査は、マサチューセッツ大学ダートマス校が2009年に実施したもので、対象地域は全米17の都市やカナダやブラジルといった主にアメリカ大陸の国々の紙幣だった。結果は、麻薬が大きな社会問題であることを証明するかのように、大半のアメリカのドル紙幣には、付着量は微量で人体には影響はないものの、コカインが付着しており、ワシントンD.C.にいたっては95%の紙幣に付着が認められた。付着の原因は、麻薬取引時に使用された紙幣が媒介となり、その後の流通過程で他の紙幣にも広がったためと推察されている。
現金を触った際は、あとで徹底的な手洗いを。健康のため、今後はこんな習慣を身につけておいた方がよいかもしれない。
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