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X脚、O脚の子を救う 歩き方&立ち方

■体の不調を引き起こす足の形は10歳で決まる

「ひざを閉じて座れない」「O脚で足が開いていてミニスカートやスキニーパンツをはくのが恥ずかしい」。そんな悩みを抱えているのは、実は大人の女性だけではないらしい。平均身長が伸び、スラリと足の長い子供が増えている一方で、O脚の子供が増えているのだ。

カサハラフットケア整体院院長としてこれまでに10万人以上の足を診察し、足と健康との関係を追究してきた笠原巖先生。「一生の足の形は10歳前後までに決まってしまう」と先生は断言する。

「O脚のままでは姿勢も全身のバランスも悪くなり、あちこちに不調が出てくる。それは大人も子供も同じこと。現在O脚に悩み、肩コリや首コリ、頭痛、冷え症などといった不調を訴えているお母さんも、元をただせばその不調は子供のころから始まっていたのです。だからこそ、10歳までの時期はとても重要です」

まずイラストにある、6種類の足の形を見てほしい。あなたやあなたの子供はどの形に近いだろうか。

「O脚、と一言で片づけてしまいがちですが、私の研究によるとO脚は5種類に分けられます」

ひざから下が開く“ひざ下のO脚”、股関節が開く“股関節のO脚”、ひざ下と股関節が開く“ひざ下と股関節のO脚”、そのほかにひざはつくけれどひざ下と股が開く“XO脚”、ひざはつくけれどひざから下がハの字に開く“X脚”がそれだ。

「それぞれゆがみ方と症状は異なりますが、共通しているのは、ほとんどの人に『外反母趾(ぼし)』や『浮き指』によるねじれ歩行が見られることです」

外反母趾とは、足の親指が小指側に15度以上曲がっている状態を指し、それが30度以上になると体に悪影響を及ぼす。浮き指は、力を抜いた状態で足の親指を甲側に限界まで押したとき、90度以上反った状態になること。通常は90度以内で止まる。一見するとわからないが、最近は外反母趾以上に激増しているという。

「これらの足裏の異常は、幼児期に足裏への刺激が少なかったことが原因です。たとえば、生後まもない赤ちゃんの手のひらを指でつつくと、赤ちゃんはギュッと握り返してきます。これが把握反射です。同様に、足も刺激を与えることでギュッと踏ん張る力が鍛えられます。ところが、歩き始めのころに靴や靴下を履かせて、平らなところばかりを歩かせると、足裏への刺激が足りず踏ん張る力が鍛えられません。そのため、足のアーチが発達せずに、外反母趾や浮き指になるのです」

ちなみに、土の上やデコボコ道をはだしで歩き回っている国の人たちに外反母趾はほとんど見られないという。

「通常、利き足となる右足は地面からの衝撃を吸収し、左足はねじれを吸収する役目を果たしています。しかし、外反母趾や浮き指などの足裏の異常があると、歩くときに足先が外方向に流れる“ねじれ歩行”となり、過剰な衝撃とねじれが発生するのです」

その大きなストレスが全身に伝わり、股関節や骨盤のゆがみや変形を引き起こす。これがO脚の根本原因なのだそうだ。笠原先生によると、さらに猫背、側彎(そくわん)症、首や肩のコリ、頭痛、めまい、胃腸障害、さらには自律神経失調状態などを引き起こす場合もあるというから恐ろしい。

「土台(=足裏)のバランスが悪ければ、その上部(=ひざ、股関節、骨盤、腰、背骨、首)でバランスをとろうとするため、ゆがんでしまう。積み木を想像してみてください。積み木の土台のバランスが悪いとき、その上の積み木を反対にずらすことでバランスをとりますよね」

■歩くとき、かかとから着地していませんか

「O脚を改善するためには体の土台から修復することが大事です」と笠原先生。そのためにはまず、足裏のバランスを整えて、正しい歩き方を身につけることが必要だという。

正常な足裏には、(1)指部の横アーチ、(2)中足関節の横アーチ、(3)指部の縦アーチ、(4)土踏まずの縦アーチの4つのアーチがある。足裏の刺激不足によりこのうちの1つでも欠けたり、弱まったりすると、外反母趾や浮き指などの足裏の異常が起こる。すると、足の指に力が入らず、指の付け根とかかとだけで着地する2点歩行になってしまう。

「4つのアーチを取り戻し、足裏を正常に戻すためには、足の指先、指の付け根、かかとの3点で着地する3点歩行に戻さなければなりません」

一般的に、ひざを伸ばしきって、かかとから着地するのが正しい歩き方だといわれているが、それは間違いだと笠原先生は言い切る。

「モデルが自分を美しく見せるための歩き方と、健康のための正しい歩き方は違います。かかとから着地するのは危険行為。わずか20センチくらいのところから飛び降りるとき、かかとから着地する人はいません。かかとから着地すると、地面からの突き上げがひざ、腰、首、頭へと直撃します」

では、正しい歩き方とは?

「歩くときに、踏み出す足のひざをいつもより1~2センチ上げるように意識します。そして、足の指先、指の付け根、かかとの3点で着地します。立ち姿勢では、ひざは伸ばしきらずに軽く曲げて、遊びを持たせることが重要です」

すると、着地が足裏全体で行えるようになり、地面からの過剰な衝撃とねじれをひざより下で吸収することができる。ひざが上がらないという人は、行進のように足踏み運動をしてから歩くといいそうだ。上半身は、背筋を伸ばしてまっすぐに。ひざを軽く曲げることで骨に頼るのではなく筋肉で体重を支えるイメージを持とう。ゆっくり歩くと逆に疲れてしまうので、適度なスピードを保って歩こう。

「自分の足に合った靴選びも重要です。靴を履くときは、毎回靴ひもやマジックテープで甲の部分をしっかり締め、足の横幅が広がらないようにすること。指先部分はしっかり踏ん張れるくらいの余裕が必要です」

■ひざをゆるめて立つクセをつけよう

正しい歩行を3~4カ月ほど続けるだけでも、O脚は徐々に改善されていく。だが、「歩き方だけでなく、普段の立ち姿勢も見直してほしい」と笠原先生。

小学校で習った「気を付け」のポーズを思い浮かべ、ひざをピンと伸ばして、骨で支えるように立ってしまいがちだが、これは間違いで、歩き方同様、ひざは少し緩めて立つのが正解なのだそうだ。重心を前にし、足の指に力が入っているのを感じながら、骨ではなく、筋肉で支えるように意識して立つクセをつける。

「並行して、股関節と骨盤のバランスを整える3つの運動を行うとさらに効果的です」

1つ目は、「開脚運動」。これはよく体操選手や相撲取りが行っている股割りと呼ばれるトレーニングだ。とはいえ、開脚運動ができない人も多いだろう。その場合は、足裏を合わせて上体を前に倒す方法や、片方ずつ伸ばした足側に体を倒す方法で慣らしていくといいそうだ。

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X脚、O脚の子を救う 歩き方&立ち方

O脚ぎみの子に、そのほかに取り入れたいトレーニング

「股関節の可動域を広げて、骨盤からずれたり、浅くなってしまった大転子(だいてんし:脚の付け根の骨)の位置を正常に戻します。全身のバランスを整え、下半身のうっ血解消にも効果があります」

2つ目は、「ひざ締め屈伸運動」。O脚の人はひざがくっついていないので、両ひざをくっつけてそのまま腰を落とし、今度はゆっくりとひざを伸ばす。両ひざが離れないように注意しながら、屈伸を繰り返す。これを20回1セットとして朝晩2セット行う。

「軽度のO脚であれば、これをやるだけでも改善されますし、O脚の予防にもなります」

3つ目は、足指の踏ん張る力を修復する「グーパーリハビリ運動」。足の親指を手の中指、薬指、小指の3本で握り、手の親指の付け根を足の親指の付け根の後ろに当て、内側に曲げたり、回したりする。これは片足5分ずつ行う。

「子供であれば治りも早い。何もせずに放置すれば、ますます体のバランスが悪くなり、あちこちに支障が出ます。足の問題と健康は切り離して考えられがちですが、決して切り離すことはできません。子供にもそれをしっかり意識させるべきです。子供の健康を守るのは親しかいないのですから」

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笠原 巖(かさはら いわお)
横浜市戸塚区にあるカサハラフットケア整体院と笠原接骨院の院長。40年にわたり、初検だけで10万人以上の足を診察し、足裏の異常が引き起こす不調の治療を行う。著書に『お母さん!  子どもの足が危ない! 』(宝島社)、ほか多数。
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秋山真由美=文 コダシマアコ=イラストレーション

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130907-10010550-pfamily-bus_all

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130907-10010550-pfamily-bus_all&p=2

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130907-10010550-pfamily-bus_all&p=3

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