自閉症状や認知障害が現れる「統合失調症」。実は、遺伝によるところが大きいことをご存じでしたか?
「遺伝子」「栄養」「病気」は相互に関わっている―栄養学者が、その実体験を公表しました。遺伝子検査を受けることで自分に必要な栄養素を知ることができ、病気の予防や治療に役立つというのです。
東カロライナ大学の栄養学者、エスコット・スタンプ博士の息子は現在28歳。
12歳の時に、生まれつきの「二分脊椎」という症状による統合失調症と診断されました。彼が「二分脊椎」を持って生まれてきたのは、母親であるエスコット・スタンプさんの、妊娠中の「葉酸」不足が原因だったそうです。
これを受けて彼女は、2人の子供とともに遺伝子検査を受けます。その結果、遺伝的に、摂取した葉酸を体内で活性化させる能力が低いことが分かりました。
彼女の息子は精神安定剤での治療が終わった今でも葉酸のサプリは飲み続けており、症状は安定しています。ほかの人と同じように大学を卒業し、就職も果たしました。
「彼が普通に生活できるようになるとは誰も考えていませんでした。遺伝子検査を受けて良かったと思っています」と博士。
米『疫学ジャーナル』によると、葉酸回路の形成に関わる遺伝子は大きく2種類に分けられるそうです。そのうち一つは、うつ、統合失調症、双極性障害に結びつくことがわかっており、食品やサプリから葉酸を摂(と)ることで症状の改善や予防ができるということです。
また、オークランド大学の栄養学者フェーギュソン教授は、「葉酸」不足による心臓発作、脳卒中のリスクが高いと診断されたことがあります。
これらの病気は、彼女が研究していた人間の「満腹感」に関わる遺伝子ともリンクしています。あるタイプの遺伝子を持つ人は満腹感を感じにくいので、食べ過ぎて肥満になってしまう傾向があるのです。
「こうした遺伝子が発見された場合は、食前に1/2個のリンゴや1杯の水を口にすることで、食べ過ぎを防ぐことができます」
自分の遺伝子を知ることで、心の病気や肥満を防ぐことができるとは・・・特に子供を産みたい女性には、ぜひ検査を受けてみることをおすすめします。
※ 当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。
参考:Genetic tests reveal need for vitamins
http://www.nzherald.co.nz/lifestyle/news/article.cfm?c_id=6&objectid=11117955
http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/mynaviwomen-649211.html