大地震などに備え、電気自動車の電源を使って炊飯器で温かくておいしい災害食を調理し、帰宅困難者に提供する防災訓練が2日、東京都千代田区の日比谷公園で行われた。
主催は東京駅周辺の83社・団体で作る「防災隣組」。
訓練は、新たに防災資材を購入せず、ふだん使用中の資機材やレストランの食材などを転用する工夫を各社が考案した。
調理の電源は大手町、丸の内、有楽町を無料巡回中の電気自動車バス「丸の内シャトル」や電気自動車タクシーを利用。食材調達は同地区の飲食店21店と全国の生産者でつくる「大丸有(大手町、丸の内、有楽町)つながる食プロジェクト協議会」と連携する。
この日は、炊飯器などを使って、鶏肉とセロリのバルサミコ酢煮、ニンジンのカップケーキ、缶詰のサンマをほぐしてチーズをかけたピーマンの肉詰めなどが次々にできあがった。
日本災害食学会事務局長で、調理を担当した守(もり)真弓さん(49)は「缶詰のほか乾物、干し果物、チーズ、ナッツなど日持ちする食品も災害食になる。意識改革して日常生活で消費と補充をしよう」。調理を補佐した鍋島規久美さん(44)も「アルファ米もトマトジュースで煮込んだオムライスだと好評。温かい食事はエネルギーが湧く」と語った。
訓練後、防災隣組の松井正雄代表(58)は「震災は職場、家庭などどこで遭遇するか分からない。訓練の成果を生かし、みんな良いリーダーになって」と訓示した。
また、キッチンや車いす対応の衛生トイレを組み立てる訓練も行った。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/education/snk20130903539.html