【阿部彰芳】マダニが広げる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のウイルスが、中部地方のマダニから見つかった。厚生労働省の研究班が調べた。患者はこれまで兵庫県から西側でしか見つかっていなかった。厚労省は「西日本以外でもかまれないよう注意して欲しい」と呼び掛けている。
SFTSは2009年ごろから中国で患者が報告され、見つかった感染症。ウイルスは11年に初めて特定された。国内初の患者は今年1月に確認され、患者数は今月26日までに計39人、うち16人が死亡している。患者が見つかったのは九州から近畿地方の13県に限られていた。
研究班は、中国地方から中部地方の9県で採取されたマダニを調べた。患者が未発生だった和歌山、福井、山梨、静岡の4県も含め、いずれの県でもマダニの一部から原因ウイルスの遺伝子が見つかった。関東や東北のマダニも調査中だ。長野、富山、岐阜、三重、香川の5県のシカや猟犬で感染の痕跡が見つかった。
厚労省は国内に広く分布している可能性があるとして注意を呼びかけていた。今回の結果は、これを裏付けた形だ。厚労省は「マダニにかまれないよう、草むらややぶでは長袖、長ズボンを着用してほしい」と話している。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/medical/TKY201308290269.html