地球温暖化の影響で、長野、青森両県のリンゴの甘みが増しているという分析結果を、果樹研究所(茨城県つくば市)などのチームが発表した。15日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
チームは、代表的品種「ふじ」(長野県産)の過去30年間の甘さ(糖度)や酸っぱさ(酸の量)、気象条件を分析。その間に平均気温が約1度上がり、酸の量が15%減る一方、糖度は5%増えたことが分かった。青森県産のふじや長野県産の別品種も、同様の傾向を示した。温暖化に伴い、発芽や開花が早まって熟れる期間が長くなることや、高温でリンゴの呼吸が増え、酸の消費が進むことなどが原因と推測している。
温暖化で農作物の収穫量が変わったり、栽培適地が北上したりすることは知られていたが、果物の味への影響は不明だった。同研究所の杉浦俊彦・上席研究員は「温暖化でリンゴの赤い色が薄くなって商品価値が下がり、収穫量は減る。生産者にとっては悪影響も大きい」と話す。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/education/20130816-567-OYT1T00991.html