今件調査は20代から50代の女性に対し行われたもので、未婚・既婚子供有・既婚子供無しで均等割り当て。料理を作る対象となる家族の居る、居ないに関わらず、料理を作る女性が対象。クックパッド発表のデータだが、調査そのものはマクロミルによって行われており、料理に関する偏向性を考慮する必要は無い。
次に挙げるグラフは「料理に関する悩み」を挙げてもらったもの。もっとも多くの人が同意を示したのは64%の「同じものばかり作ってしまう」。
↑ 料理についてどのような悩みを持つか(複数回答)
「同じものばかり作る」には色々な原因がある。「その料理が好きだから」は悩みに該当しないので脇に置くとして、レパートリーが少ないから、面倒だから、それが得意料理だから、食材が手に入りやすいからなどが想定される。そのうち「レパートリーが少ない」は別項目として選択肢にあり、しかもほぼ同率の62%で次点についている。多分に女性における料理事情「作れる料理品目が少なく、結果として同じものばかり作ってしまう」が見えてくる。
それに続く「得意料理が無い」も、レパートリーの少なさに相通じるものがある。また「レシピが無いと作れないことが多い」も、作れる料理のストックの少なさから来る。要は料理における「手札の少なさ」が、女性の料理の悩みの根源にあるようだ。
ところが世代別に見ると、「同じものばかり作ってしまう」という料理上の悩みが、必ずしも「手札の少なさ」を起因とするものばかりでは無いことがうかがえる。
↑ 料理についてどのような悩みを持つか(複数回答)(世代別、一部)
「レパートリーが少ない」「レシピが無いと作れないことが多い」「メニュー選定に時間がかかる」など、料理の経験の浅さゆえの悩みでは若年層ほど値が高い。特に「レシピが無いと作れないことが多い」は世代間で最大3倍ほどの違いが生じており、料理の経験の時間的・回数的な蓄積と共に、身体で手順を覚えていく様子がうかがえる。
しかしトップの「同じものばかり作る」では、歳の差異が確認できない。直上に挙げた他の項目を見る限り、歳と共に料理に対する手際は良くなり、レパートリーも増えている。しかし同じ料理ばかり作る人の割合は減っていない。若年層の「同じものばかり作る」理由は上記に挙げた「手札の少なさ」で間違いなさそうだが、中堅層以降では説明がつきにくい。
つい自分が好きな料理を繰り返し作ってしまうのか、家族のリクエストについつい応えてしまうのか。料理が面倒になり、手間がかからない品目でローテーションを組んでしまうのか。歳を重ねて作れる技術・知識を得ているものの、料理にかけるリソースを減らした結果なのか(人によってはこれを「手抜き」とも言う)。今調査ではそこまで尋ねていないが、色々と想像したくなる値ではある。
あるいは歳によって、「同じものばかり」の範ちゅうに当てはまる料理種類数そのものが異なるのが原因なのかもしれない。
「グラフ化してみる」ジャーナブロガー 解説者
ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。
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