「バケツをひっくり返したような雨だった」-。1日、県内では再び激しい雨が降り、土砂崩れで男性が死亡した長岡市寺泊山田地区では、二次災害の恐れがあるとして、地区への立ち入りが禁止され、住民が自主避難を続けている。2日も局地的な大雨が予想されるため、県などは土砂崩れや河川の増水などへの警戒を呼び掛けている。
同地区の足立利雄区長は「思ったより雨脚が早かった。皆、寝ていたから避難のしようがなかった」と語り、疲れた表情を見せた。
土砂崩れで死亡した会社員、足立正敏さん(61)は小中学校の同級生といい、「残念だ。独身だったが地区内では非常に協力的で、よく話をする相手だった」と悔やんだ。
別の男性も「本当にひどい雨だった。犠牲者が出たのは悲しい」と肩を落とした。
土砂崩れがあった付近は立ち入りが規制され、住民らは二次災害の恐れがあるため近くの同市高齢者施設「夕映荘」に避難。23世帯58人が避難している。
国道402号と同116号を結ぶ近くの県道でも土砂崩れが発生し、1車線が土砂で埋まり、通行できなくなった。
県などによると、長岡市和島で同日午後3時40分ごろ、女性(84)が避難時、がれきに足をぶつけ軽傷を負った。これで大雨による人的被害は死者1人、重傷1人、軽傷3人となった。
各地の避難所には1日午後7時現在、82人が避難している。住宅被害は1日正午現在、出雲崎町で一部損壊2棟、床下浸水が長岡市などで新たに38棟増えて計1026棟に達した。
一方、7月30日に大きな被害を受けた同市乙吉町や栃尾地域では、災害ボランティア計約250人が、土砂にまみれた家屋から泥出し作業などを行った。
市危機管理防災本部は24時間体制で警戒を続けており、「地域は異なるが2度の大雨で地盤が緩んでいる可能性がある。避難の必要が生じたら、昼間に行動するか、自宅2階に移動するのも一つの手段だ」と注意を呼び掛けている。
長岡市寺泊山田の土砂災害に対し、県地すべり対策研究会のメンバー約10人が2日午前9時から、現地調査を行い、災害発生原因を突き止め、ソフト、ハードの両面で対策を講じる。
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