多量のワキの汗、ひょっとして病気!?
夏場にワキが汗でじっとりとして、洋服にシミができて困ったということは、多くの人が経験しているはず。しかし、市販のワキの汗を吸収するパッドなどを貼っても対処しきれないほどであれば、「腋窩多汗症」(えきかたかんしょう)という病気が疑われる。腋窩とはワキのくぼみのことで、そこに多量の汗をかくことで人前に出られない、仕事や学業に集中できない、一日に何度も着替える必要があるなど、日常生活に支障が出ていれば、やはり単なる汗かき体質とは言えないだろう。
あなたのワキの汗、病気の基準に当てはまるかをチェック!
腋窩多汗症は、原因によって2つに分類される。ほかの病気や使用している薬によって引き起こされる場合は続発性(ぞくはつせい)腋窩多汗症、原因不明の場合は原発性(げんぱつせい)腋窩多汗症と呼ばれる。原発性腋窩多汗症は、以下の基準により診断される。
原発性腋窩多汗症の診断基準
原因不明の過剰なワキの汗が6ヵ月以上続き、かつ次のうち2つ以上が当てはまる場合、原発性腋窩多汗症と診断される。
- □ 左右のワキで、同じぐらい多くの汗をかく
- □ ワキの汗が多いことにより、日常生活に支障をきたしている
- □ 週に1回以上、ワキに多くの汗をかくことがある
- □ ワキの汗が多い状態は、25歳より前から始まった
- □ 家族や親戚の中に、同じようにワキの汗が多い人がいる
- □ 眠っているときは、ワキの汗は多くない
重度の場合はボツリヌス療法が行われることも
続発性腋窩多汗症を治療するには、まず原因を突き止め、それに対処することになる。
原発性腋窩多汗症の治療には、塗り薬や飲み薬が用いられる。重度の場合は、ボツリヌス療法が行われることもある。これは、ボツリヌス菌がつくるたんぱく質を用いた薬をワキに注射する治療法で、神経から汗腺への信号を遮断することで、汗の量を減らすことができる。この治療法を行っている医療施設は限られているため、事前に確認しておくとよいだろう。
なお、汗の量を抑える治療を受けても、ワキガなどの臭いを直接抑えられるわけではない。汗の臭いが気になる場合、それが腋窩多汗症なのか、ワキガなのかを自分で判断するのは難しいので、医師に相談してみよう。
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http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000622.html










