親のような気持ちで接しているのに、何かといえば反論してくることの多い部下。そんな部下に効果的に「アメとムチ」を与え、うまく導いていくにはどうすればいいのでしょうか? アメとムチのよい与え方、ダメな与え方をぜひチェックしてみてください。
■「効果的なアメ」
みんなの見ているところで、しっかり褒める
たまに「人前で、あからさまに誰かを褒めるのが恥ずかしい」、または「誰かひとりを褒めると、ほかのスタッフのやっかみがすごくて面倒くさい」と、褒めるのを嫌がる上司がいます。しかし、どんな仕事への行動が「成功」とされ、どんな仕事ぶりが「よし」とされるのかは、この上司からの効果的なアメがなければ判断がつきません。どうすれば「成功」で、「よい仕事」と上司に判断されるのか、みんなに共有してもらう意味でも、しっかりと仕事仲間が見ているところで部下を褒めることが大切です。
■「効果的なムチ」
意識を高めてもらうために、あえて高い試練に挑ませる
近年、出世したくない症候群と呼ばれる社員が増えているそうです。出世したくないと部下が考える理由の大きな原因は、「出世しても、先が見えている。それなら、責任の重いプレッシャーに悩まされるより、ある程度、楽なポジションにいたほうがいい」ということが考えられます。これが手抜きやサボりの原因になることがあります。このような部下にムチを与えるには、高い試練に、みんなの前で挑ませるのが効果的です。ただし「嫌がらせ」と取られることもあるため、その試みを見守り、見通しを与え、何かあったときには一緒に責任を取るというスタンスでフォローしてあげることも大切です。
■「アメ」も与え方によっては逆効果?
たとえば毎日、誰から言われた訳でもないのに、率先して社内の掃除をするなど、気配りを見せていた社員がいるとします。その社員に気配りのお礼を兼ね、ボーナスを1万円上乗せしたとします。このような場合、次のボーナスでも1万円上乗せしないと、その社員は気配りを見せなくなることがあるのです。これは無償であった気配りという「奉仕」が、「1万円の労働」に置き換わってしまったためです。アメも与え方によっては、その人のよいと思われる資質、もっと伸ばしていってほしいという資質を、逆に殺してしまうこともあるのです。このような「アンダーマイニング効果」に注意して、しかるべきアメを効果的に与えるようにしてみてください。
■過剰なペナルティーを与える「ムチ」にも要注意!
過剰なペナルティーには、過剰に受けた罰を、ほかのことで埋め合わせさせようとする、代償行動と呼ばれる行動を促すことがあるため要注意です。たとえば、今月2回遅刻した罰として、1万円の罰金を部下に要求したとします。しかし遅刻した時間が30分で1,000円程度が適切な罰金だった場合、1万円支払わなければならない罰は、社員にとって重すぎる罰ということになります。このような場合、余分に背負わされた9,000円分の罰を上司や会社にも与えようと反抗的になり、わざと会社の足を引っ張ったり、損失を与えようとしたりすることがあるのです。
アメとムチは使い方次第で、効果的にも逆効果にもなります。ぜひアメとムチを与えられる立場になって考えながら、適切に使い分けてみてくださいね。
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