■「アベノミクス」5人否定的
参院新潟選挙区に立候補した8人に、「アベノミクス」について産経新聞新潟支局が実施したアンケートでは、評価したのは2人、一部評価が1人、残る5人は否定的な回答だった。
自民の塚田一郎氏は「重い空気が一変した」とし、成長戦略の推進が重要だと強調。幸福の生越寛明氏も「全体的には高評価」とした。維新の米山隆一氏は「国民の気持ちを上向きにした意味では評価」しているが、成長戦略は不十分としている。
一方、生活の森裕子氏は「小泉構造改革と同じ」と切り捨て、民主の風間直樹氏も「危険な賭け。成長戦略は具体性がない」と指摘した。
社民の渡辺英明氏は「実体経済を無視。大企業、金持ち優遇政策の見直しを」、共産の西沢博氏は「暮らしと経済を破壊。バラマキと雇用ルール弱体化だ」、無所属の安久美与子氏は「期待感先行で実質経済を伴っていない」とそれぞれ批判している。
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【質問】安倍政権による経済政策「アベノミクス」に対する評価(全体と金融政策、財政政策、成長戦略ごとに)とその理由を聞かせてください。
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□森 裕子氏(57) 生活現
正体は小泉構造改革と一緒。残ったのは格差社会。当時と同じ現象が起きている。日本は内需の国、可処分所得が増えないと、生活の豊かさを実感しないと経済は回らない。異次元の金融緩和は異次元のリスクを伴う。
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□米山 隆一氏(45) 維新新
国民の気持ちを上向きにしたという意味では評価できる。ただし、金融政策と財政政策は短期的な効果を生むのみで、長期継続は困難。本当に重要なのは成長戦略だが、これは既存の枠組みにとらわれて、極めて不十分。
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□風間 直樹氏(46) 民主現
危険な賭け。年金生活者、給与所得者の収入目減りの恐れ。金融政策は金が投機に向かう恐れがある。GDP比2.5倍の財政赤字は国際社会で最悪。財政規律維持が課題。成長戦略は具体性がなく、数値目標はごまかし。
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□渡辺 英明氏(63) 社民新
実体経済を無視したアベノミクスでは景気は回復しない。デフレや経済不況は労働者の賃金が15年間下がり続けたことにある。成長戦略は小泉構造改革の焼き直しで失敗は経験済み。大企業、金持ち優遇の政策を見直す。
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□塚田 一郎氏(49) 自民現
アベノミクスによって、日本を覆っていた暗く重い空気は一変しました。円高解消と株価上昇の実現は、金融政策の成果です。今後は、成長の実感が全ての人に届くまで、財政政策と成長戦略を推進することが重要です。
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□西沢 博氏(33) 共産新
暮らしと経済を破壊する。投機とバブルをあおる異常な金融緩和、不要不急の大型開発へのバラマキ、雇用ルールの弱体化、消費税大増税、社会保障大改悪。国民の所得と賃金を奪い、日本経済を衰退させる危険な政策だ。
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□生越 寛明氏(48) 幸福新
全般的には高評価。金融政策は末端まで景気高揚感を出すためインフレ目標を3%に。財政政策は増税中止、法人税引き下げ、贈与税・相続税廃止で景気を優先。成長戦略は未来産業、交通インフラ・防災インフラ整備。
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□安久美与子氏(78) 無新
期待感先行だが実質経済が伴っていません。前例のない金融緩和は長期金利上昇で国債の破綻を招き、国土強靱化の名を借りたバラマキは国の借金を増大させる。成長戦略は再生可能エネルギー抜きではあり得ません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130719-00000012-san-l15